笑顔で、もう一度 ページ10
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ガチャン、と音を立てて扉が閉まった。
その向こうにヒロくんは消えてしまって、彼を追いかける気力など私には残っていなかった。
彼を送り出すのに、涙を堪えるのに必死で。
結局は泣いてしまったのだけれども、それでも我慢した方だと思う。
彼が居なくなってしまった今、我慢などする必要もなかった。
ポロポロと、綺麗な雫が溢れてくる。
さっきはヒロくんにカッコつけて、行ってこいと荷物を押し付けたと言うのに。
こんな姿は見せられないな。ホントは寂しくてたまらなくて、どれだけ泣いても涙が止まらないくらいには……お兄ちゃんが大好きだなんて。
『うっ……ひ…っヒロくん……っ』
でも、彼なら呆れるどころか泣いて喜んでくれるかもしれない、と頭の片隅で思った。
そう言えば、私の家の前でゼロくんと待ち合わせをしてたんだっけ。こんな顔じゃなければお見送りしたのに。この涙のせいでゼロくんを送り出すことも出来なくて、少しだけ涙
廊下にしゃがみ込んで泣いていた。服の袖で目元の涙を拭って、いつまでもこんな所にいてはいけないと立ち上がろうとすると、さっき閉まったはずのドアが開いた。
『ぅ、えっ……』
「A！」
光が射し込んで、思わず目を細める。
その光から出てきたのは、見送りそびれたと思ったゼロくんで。
彼が私に手を伸ばした。
そして、一瞬にしてその腕に包まれてしまった。
『ぜ、ゼロくん……』
「ごめん、行く前にAにどうしても会いたかったんだ」
私の肩口に顔を埋めている。
こんなゼロくん普段は見れなくて、珍しいなと笑ってしまった。
いつもヒロくんがしてくれるように、私もミルクティー色の髪を撫でた。
『ゼロくんも大概私の事大好きだよね』
「うるさいな。…まあでも、否定はしないさ。こうして会いに来てしまったからな」
ぐりぐりと頭を軽く擦り付けると、もう満足したのか私から離れる。
そしてゼロくんのキラキラとしたアイスブルーの瞳が私を捉えた。
「……俺のことは送り出してくれないのか？」
『えっ、ヤキモチ？ゼロくんめっちゃ可愛いなあ』
「うるさい、はやく」
恨めしい目で私をジトリと見てくる。
扉の向こうではヒロくんも困った様に笑っていて、あぁさっきの出来事を言ったのかと悟った。
『……ゼロくん、行ってらっしゃい。待ってるからね』
「……あぁ！行ってくる！」
力強く頷いた彼を笑顔で見送った。
二度目はちゃんと、送り出せたよね。
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天桜＊(プロフ) - ネイジェさん» はじめまして！コメントありがとうございます！本当に楽しみですよね…！！動いてる皆に会えるのが待ち遠しいです…！お気遣いありがとうございます、お互い体には気をつけましょうね；；更新頑張りますのでどうぞお付き合いよろしくお願いします☻ (2021年12月18日 22時) (
レス) @page28 id: 2fdd3479dd (このIDを非表示/違反報告)
ネイジェ - いやもう面白すぎ！！来年の映画、楽しみですよね・・・！オタク仲間？か、どうかは分からないけど、応援してます！更新頑張って下さーい！！体にも気を付けてくださいね！ (2021年12月18日 19時) (レス) @page28 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - ソラさん» 初めまして！コメントありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです〜！！一緒にいるだけで元気を貰えるような、そんな妹ちゃんを目指して書いてます…！！ゆっくりではありますが更新していきますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月22日 17時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 初めまして。小説読みました。ごーうぃんぐまいうぇいな妹ちゃん可愛すぎ(*¨*)こんな妹ちゃんだからこそ、警察学校組は頑張って行けるんだろうなと思いました。続き楽しみにしています。(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年8月22日 14時) (レス) id: 488a1f3fec (このIDを非表示/違反報告)
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