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素直に頷いた私を見て、零さんはそっと胸を撫で下ろした。そして、「台所お借りしますね」とひと言告げると扉の奥へ行ってしまった。
「…Aさん？どうしたの？」
「コナンくん…ううん。なんでもないよ」
もう姿は見えないのに、ぼうっと扉を見つめてしまっていた。
そんな私の様子に、コナンくんが不思議そうに声をかけてきたが、首を振って誤魔化した。
最近コナンくんに心配されることが多くなった様な気がする。前に比べて、零さんへの気持ちを隠しきれていないのかもしれない。
私情は挟まない、と決意したと言うのに。
もう一度、気を引き締め直さなければならない。これは、私の為でも彼の為でもある。
なのに、何故か前以上にその決意を辛く思った。
彼の言動ひとつで一喜一憂してしまったり、無意識のうちに目で追ってしまうくらいに。
それほどまでに、好きになってしまっていた。
事態は思った以上に深刻だったらしい。
*
ピンポーン、とインターホンが鳴った。
零さんが台所に行ってから、約10分後くらいだろうか。
モニターで応答すると、目暮警部がそこに映っていた。通話ボタンを押しながら声をかける。
「Aくんかね？目暮だが」
「はい！お待ちしておりました」
今出ます、と言い残すと廊下の方へ駆けていく。モニターに映る目暮警部の後ろに、服部くんが居たのは間違いないだろう。
あれだけ怒鳴り散らしてしまったあとだ、少しだけ気まずいものがある。
まあでも、そこまで心配するような事ではないか、と自己解決させた。
ドアノブに手をかけてはあ、と一つ大きく息を吐くと、扉を開けた。
「お疲れ様です。どうぞお入りください」
「すまんな、ありがとうAくん」
扉を支えて待っていると、目暮警部は私に軽く頭を下げて玄関に入る。
そのまま続いて服部くんが入ってくるかと思っていたら、視線を向けた先に固まった彼がいた。
カタカタと唇を震わせて、指で私を指してくる。まるで、オバケでも見ているかのように。
「な、っ、なな、な。アンタがさっき怒鳴り散らしたオンナか…！？」
「うっ…その節はすみません…」
相当失礼な話ではあるが、悪印象を植え付けた私にも非があるのだ。
自責の念に駆られながらも、へこへこと頭を下げた。
「…ホンマにたまがったで。まあ、見た感じねーちゃん悪い奴や無さそうやし。見逃したるわ」
邪魔すんで、とひと言残すと目暮警部の後を追って家に上がっていった。
これが初対面である。
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天桜＊(プロフ) - 雪菜さん» はじめまして！コメントありがとうございます！返信が遅れてしまい大変申し訳ありません；；私生活が忙しく更新出来ていなかったのですが、こんな世情なので更新再開しようと思います…！お待たせしてしまいましたが、頑張ります！ (2020年4月19日 12時) (
レス) id: 8e54424fc3 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - この作品を最近見つけたんですが、凄いハマりました！続き待っていますね！頑張ってください！ (2020年2月4日 1時) (レス) id: 7ae7374779 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - 環希さん» はじめまして！コメントありがとうございます！お気に召していただけたようで幸いです…！！期待に添えられるよう頑張りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いします！ (2019年9月1日 8時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
環希(プロフ) - はじめまして！逆トリップの検索から来たのですが、とても面白くて私が求めていたものにピッタリです！更新頑張ってください！楽しみに待っております(^^) (2019年9月1日 2時) (レス) id: 33d5659616 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - EMIRIAさん» はじめまして！ありがとうございます〜！！そう言っていただけて本当に嬉しいです；；更新お待たせしていて申し訳ないのですが、是非これからもよろしくお願いします！頑張ります！ (2019年8月31日 5時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
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