狂気狂愛〜逃げられないストーカー〜

◇◆◇ ページ17

・









私は部活中も、ずっと紫耀のことを考えていた。






今、彼は何をしてる？

試合に向けて練習してる仲間を応援してる？

自分の実力をあげるために練習してる？









それとも………









先生「Aさん、大丈夫？」


『………はい！すいません！』









先生にペコッとお辞儀してから

私は制作途中の絵に目線を戻した。









美術部の私と、

テニス部の彼。









美術室からはテニスコートは全然見えない。




だから余計に気になる。






集中しないと、ダメなのに………。









・









・









それから、気がついたら部活の終わる時間になっていて…





先生「じゃあ、また明日。さようなら〜」


「「さようなら」」









解散してから、速攻テニスコートに向かった。









コート内では、懸命にラリーを続ける廉達の姿。




でも…………紫耀は

いない。









・







部活に来て、もう帰ったのか

部活にも来ていなかったのか……









仕方なく帰ろうとした

その時、









「お先に失礼します！」









そんな大きな声が聞こえてきた。








パッと視線をやると………

丁度コート内から出てきた浮所くんと目が合った。









浮所「………A先輩！！どうしたんですか？」



『……浮所くんこそ……部活早退するの？』



浮所「…………はい。このあと歯医者行かなくちゃいけなくて(笑)むし歯がヤバイんです。」









口を押さえる仕草がちょっと可愛くて

つい笑ってしまう。









浮所「そんな笑わないでくださいよ〜！」



『ごめんね！！』



浮所「ふふっ………まぁ、いいですけど(笑)
途中まで一緒に帰ってもいいですか？」



『う………うん。いいよ。』









浮所くんに、紫耀のことを聞こうかどうしようか……

迷いながら門を出た。









・









・

◇◆◇→←◇◆◇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す