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「なあ、俺そろそろ飽きてきたぜ」
エックスが呟く
その言葉に背筋が凍った
それは、
私にとっての"死"を意味する
「…言い出す頃だろうと思った」
ショウはエックスを見下げて、ため息をつく
「エックスは普段から女に手ぇ出してばっかりだからすぐ飽きんだよ」
「はあ？エヌだってそうだろ」
「…お前ら黙れよ」
「…ショウ……わ、わかった」
「…とにかく、女はまだ殺すな。」
私は、部屋の隅で、小さく脚を抱える
「…はぁ…ちょっと外に出てくる」
「…おう、わかった」
朝のことがあったからか
2人は露骨にショウに怯えているようだった
ショウが部屋から出ていくと、
部屋には私と、汚らわしい2人だけ
支配者がいないこの空間は
言いようのない不安と怖さが襲ってくる
「…ったく、ショウのやつほんとこええよ」
「やめろエックス、次はお前、本気で殺られるぞ…あいつは鬼だ…」
「…ちっ…んなこと、わかってるよ
…おい、お前、ビールもってこい。床下に残りが隠してある」
『…え…で、でも…』
言ってしまって、激しく後悔した
2人の目が、途端に血走る
「…お前、いつから生意気になった？」
「ショウが殺すなって言ったから調子乗ってんのか？あ？！」
エヌに髪を引っ張られて、
頬に乾いた痛みがはしる
『…っごめんなさい…っ…』
「殺 そうと思えば殺 せるんだよ
お前も、ショウも」
腹部にも蹴りを入れられ、
だんだんと、視界が曇っていく
あぁ、死 ぬんだ
それか、とっくに死 んだのかも
そうかもしれない。…きっと、連れ去られた日から私は、私の心は、死 んでいたんだ
首に、手がかけられている
もう怖さも何も感じない
こうして
赤の他人に
殴られ、罵倒され、虐げられて
その度に、私は一体
…何回死 んだ？
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作者名：m
| 作成日時：2017年5月19日 1時
