帰国 ページ44
ヤマト「久しぶりだな...」
空港に降り立ったヤマトは、あの頃とは売って変わって、ラフな格好で、髭を蓄えて、サングラスをしていた。
それでも、見る人が見れば...有名人か?
と、間違えるような出で立ち。
振り返られたり、こそこそ話されたり、
勝手にカメラを向けられたり。
※#面倒臭ぇ..
それでも、何より面倒臭い事を先に済ませないといけなかった。
※とりあえず...馬淵さんに報告はするか。
あまりメールなんて見ない馬淵さんに、帰国したメールだけはしておく。
これで一気に帰国した事は拡散されるだろうが、マサトにもメールする。
そしてHIROさんにも。
※一番厄介だけど...
一番会いたい奴だし
最後に大輔に「ただいま」とだけ。
♪ピコン
マサトお帰り。イマドコ?ヤマトただいま。空港。マサト車で迎えに行こうか?ヤマト迎えは要らないから、仕事しろ。マサト誰か迎えに行かせる!!待ってろ!言いたい事が山ほどある!逃げるなよ!ヤマト分かったよ...空港で時間潰してる
空港のレストランで、時間を潰してるヤマト。
ゆっくり珈琲を飲んでいた。
※マサトに知られるの早かったな
Aは大丈夫かな...
でも此方での状況も確めないと、
またアイツは無理するからな。
何度も危険な綱渡りして...
でも、まぁ、よく馬淵さんを...
そう言えば、詩織が言ってたな。
Aはいつも確信は隠すって(笑)。
自然とヤマトの頬は弛んでた。
ふと感じた視線に、目を向けると、
ベビーカーに座っていた子と目が合う。
ヤマトは柄にもなく、笑顔を向けた。
小さな子は、そっぽ向いてしまう。
※子どもって正直だな(笑)
ヤマトは、子どもから視線が外せなくなり、
しばらく見ていたら、また視線が合った。
今度は手を振る。
そっぽ向かれない。
※次は...何をすれば良いんだ?
ヤマトの手元には、
子どもが喜ぶ様な物は全く無い。
※Aならどうする?
Aが、彩の子どもをあやしていた時の事を思い出そうとする。
抱っこして、歌を歌って、笑って話し掛けて。
※そう言えば手遊びしてた!
手でキツネを作って見せた。
荷物に隠して、時々見せたり。
笑ってくれはしないけど、
ずっと此方をみていた。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アヤコ | 作成日時:2017年11月20日 17時