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「...ｻﾝ｡..ﾄｻﾝ...｡ﾔﾏﾄｻﾝ!ヤマトｻﾝｯ!」
聞き慣れた俺を呼ぶ声｡
ﾔﾏﾄ「う〜ん...なにぃ？」
寝ぼけた声で返事する｡
※...え？...うん？
賢人「ヤマトさんっ！」
南「ヤマトさんっ！起きて！」
夜型の生活をしてきた俺は
朝､起こされるのが慣れてない｡
賢人「ヤマトさんっ！姉御は？」
南「姫は何処ですか？！」
ﾔﾏﾄ「...え？」
賢人と南の声で､一気に目が覚めた｡
隣で寝ていたはずのAの姿は無く､
俺が一人でベッドに横になってた｡
ﾔﾏﾄ「Σあれ？」
賢人「この家の何処にも居ないんです！」
南「荷物も何も無いんです(泣)!
何処に行ったか､聞いてませんか？」
ﾔﾏﾄ「いや...」
まだはっきりしない頭を働かせて､
ベッドから起き上がり､部屋を出る｡
一部屋､一部屋､Aの姿を探す｡
大輔と宏人先輩と探したように...｡
入り込めない筈の隙間も､
有り得ない所も､隈無く探す｡
ﾔﾏﾄ「A!!何処だ!!」
別宅の隅から隅まで､
探したけど見つからない｡
昨晩の停電...。
誰かによる作為的なものと判明して、
何度も何度も探した。
けれど見付からなかった｡
一斉に両家で捜索が始まった｡
暫くして、タクシーの運転手から､
空港まで送迎した事が判明した｡
空港と聞いて､婚約者役の黄さんを思い付いた｡
ところが黄さんの元にも帰って無かった｡
※何処にいるんだよ！
黄さんも､Aの安否を躍起になって探していた｡
その事実は...
間もなく馬淵さんの耳にも入る｡
馬淵さんも自分の使える手を駆使して､
Aを探したけど､見付からなかった｡
澄江「何処かで生きてるわよ...｡
だってあの娘...
『生きてれば､何時か､何処かで会える』
そう言っていたもの...」
澄江さんの､そう思い込む事で
一縷の望み、微かな希望を
手繰り寄せてる様な気がして､
それを否定する様な言葉は
どうしても言えなかった｡
ただ...ひたすら...
ﾔﾏﾄ「すみませんでした...」
ただその一言と、
頭を下げる事しか、
出来なかった。
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作者名：アヤコ | 作成日時：2017年11月20日 17時
