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夢想エンディング ページ49

『ちなみに部長は誰かを愛したことがありますか』



相変わらず純粋無垢な目で尋ねてきた声が、あの子がここを出て行ったあとも頭の中で反復している。







「愛してるよ。──。」

「俺も、大好きだよ。」






『愛している』と言ってくれたアイツに対して、俺は照れくさくて『大好き』と返すのが精一杯だった。




あの時。




俺が『愛している』と返していれば、この後悔の気持ちも幾分か楽になっていたのだろうか。




どれだけ過去を夢想しても、現実は変わらないのだけど。




「逢いたいな。」





胸元に下がっている冷たい金属のペンダントを温めるようにぎゅっと握りながらそう呟く。



この声がアイツに聞こえているといいななんてやっぱり夢想してしまうんだ。

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年1月28日 9時

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