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「慧に頼まれたからって言うのもあるけど、侑李くんを家族にするって最終的に決めたのは間違いなく俺たちの意思だからね。もし侑李くんがまだ俺たちのこと家族だと思えなくても、父さんの友達かーってくらい気楽に接してくれると嬉しいな。」
大貴さんの底知れぬ優しさに思わず唇を噛み締める
「本当にありがとうございます。」
「こちらこそうちに来てくれてありがとう!」
大貴さんはニコニコと笑ってそう言った
ほんとにいい人だ。
「お、ほら侑李くん!我が家に着きましたー!」
1人で笑みがこぼれてしまいそうになるのを必死に抑えていればどうやら『我が家』についたみたい。
車のスライドドアを開ければ潮の香りが鼻腔を満たす
そう言えば、来る時海が見えたな
そんなことを考えながら大貴さんについて行く
近くで見る家はなかなか迫力があった
眩しいくらい真っ白な外壁に黒い屋根の二階建て
スタイリッシュな外見がかっこいい
「すごいかっこいい家ですね」
思わずそう言葉を漏らす
大貴さんは俺の言葉を聞いてますます口角をあげた
まるでその言葉が聞きたかったとばかりに。
「この家、誰が設計したんだと思う?」
設計という単語を聞いて、不思議と胸が高鳴っていくのがわかる。
もしかして、、、
「侑李くんのお父さんだよ」
大貴さんは嬉しそうにそう言った
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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年1月28日 9時