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「そっか、つらかったね。」
「やめようかなって何回も考えて…でもやめたら…」
誰もいなくなっちゃう。
心細そうに、寂しそうに、苦しそうに。
ぽつりと呟いたその言葉が胸にぐっと突き刺さる。
どうしたら…どうしたら助けられんだろう。
「…こんなこと言われても困りますよね。
すみません。で、面談って出席日数の事ですか？」
何も言わなくなった俺を見て気まずそうな顔をした薮は話を切り替えてきた。
「学校も、辞めようと思ってます。」
「…えっ？」
「元々学校という場所は苦痛でしか無かったし、芸能活動始めてからはさらにキツくなったというか…。だから、先生には迷惑かけないので安心してください。」
「ちょ、ちょっと待って！」
辞めるなんて、そんなの勿体ない。
高校生活って特別なもので、
他では味わえないキラキラした世界で。
それに、それに…。
今ここで辞めたら、薮自信が1番苦しいんじゃないの？アイドルでいるのが苦しいって言ってるのに、本当の自分でいれるはずの高校生活を捨てて、偽りの自分で生き続けるんだよ？
「…だめ。」
「は？」
「辞めるな。クラスで授業が受けにくいなら俺が補習する！だから、だから辞めるな！」
「なんでそこまで…。あんたの負担増えるだけでしょ。」
なんで？…分かるんだよ。お前の気持ち。
お前の状況が、俺に似てるから。
凄くわかるんだ。
苦しいくらいに。
だから救いたいって思うんだ。
「実は俺も、芸能活動をしていたことがあって。」
「…は？」
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作者名：。 | 作成日時：2020年10月13日 22時
