ヒモの彼氏とヒモノの私と、 (ページ20)

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学習ページ20

家に着いても
北斗の眉間には皺が刻まれたまま。

ごはんどうしよっか、とか
コーヒー淹れようか？とか
あれこれ聞いてもまともに返事はかえってこない。

時々苦しそうに小さく首を振ったり
困ったように溜息をついたりするだけで
何か聞けるような状態ではなかった。

「…ねえ、北斗」

「……」

「ねえってば」

「…っあ、ごめん」

「さっきの人、誰？」

…前までの私たちなら。

「…え、と…」

「聞かれたくないんだと思うけど、でも、わかんないけど…うやむやじゃダメだと思う」

「…」

「…言いたいこと言えなくて、聞きたいことも聞けなくて、そうやってまた北斗がいなくなったりするの、嫌だから…」

聞きづらいなら聞かなきゃいい、
言い出せないなら黙ってればいい、
そんなのは一時的な逃げに過ぎない。

ちゃんと向き合って伝え合わないとダメなんだ。
だって私たち、それで一回すれ違ってるんだから。

「…だよな、ごめん」

驚いた顔をした北斗は、ふっと小さく笑うと
ソファーに座ってゆっくり話し始めた。