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椿さんと別れ、私は火が及んでないところからショッピングモールの中に入り、階段を駆け上がって最上階まで行った
そこには数人、逃げ遅れていた人がいた
「皆さん、無事ですか！？」
「ひ、ヒーローだ…！」
「逃げる道が分かんなくて、どうしたら…！もう少しでここも…！」
「もう、大丈夫です！安心してください！こっちに逃げ道があります！」
その逃げ遅れた人たちを外の道まで誘導し、今度は３階に行った
人は見当たらない…
ここはもう、いないかな…
「おかあさ〜ん！どこ〜！」
引き返そうとしたその時、どこからか子供の泣き声が聞こえてきた
泣き声の主を必死に探してみると、女の子がほとんと炎に包まれている向こう側で、ぺたりと座って泣いていた
「っ、今、助けるからね！」
自分に結界を張り、炎の中を駆け抜け、女の子を救い出した
「もう大丈夫だよ。歩けるかな？」
「あし、いたい…」
女の子は、ほんの少しだが足を火傷していた
「…早く、大人の人に見てもらおう。抱っこしたまま行くね」
「うん、ありがとう…！」
女の子を抱っこして再び結界を張り、安全な方へ逃げようとしたその時だった
後方で、大爆発が起こった
「きゃあああ！！」
「！？」
驚いて振り返ると、ショッピングモールの約１/３が消し飛んでいた
そんな馬鹿な…！？
「こわい、よぅ…！おねえちゃん…！」
「っ、大丈夫！早く下に…」
階段の方に戻ろうと体を戻すと
そこには、全身を黒で包んだ人が立っていた
「！？」
咄嗟に結界を張ると、その人はいとも容易く手で殴り、結界を割った
続けざまに脇腹を殴られ、女の子を抱えたまま吹っ飛んだ
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作者名：櫻ノ院 小汰楼 | 作成日時：2020年4月9日 21時
