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♡
「ここだ」
着いた先の部屋には、朱莉さんと同じように白衣を着た人たちがちらほらいた
その中央を通り抜け、奥にある部屋に入った
「昨日の夜にてめーが寄越したコスチュームの要望書見つけて見てみたが…んだこれは。幼稚園児のラクガキより酷ぇ」
「うっ…」
「ださい。だから適当に作りかえる。改めて要望は」
「…えっと、この服の色あいだけ、残していただければ…」
「……はぁ…。欲がねぇな」
「あはは……」
…まぁ、このコスチュームの案を作った時ってそんなにヒーローに対して興味もやる気もなかったから適当でいいやってなっただけで…
「一応聞いとくが…てめーはどういうヒーローを目指してんだ」
「？」
「見た限り、親父のこたァ目標にしてねぇんだろ」
「まぁ…えっと…」
私が目指すヒーローの形、か…
そんなの、ひとつしかない
「…私の、１番の憧れの人が…
「絶対に勝つヒーロー」になるんだって…そう言ってて…
でも、私は大した攻撃力も備えてないから、同じようにはなれなくて…
だから、この個性を…
「守ること」に特化したこの個性を生かして…
「絶対に勝つヒーロー」の役に立てるように…
私は…
「全部を守れる」ヒーローに…
そんなヒーローに、なりたいです」
私は椿さんの目をまっすぐ見て、そう言った
「…あっそ。精々足掻けや」
「はい！」
…あれ
言われると覚悟してたのに、悪口が全く飛んでこない…
どうしたのかな……？
まぁ、言われないだけいいけど
「コスチュームは暇な時に改良しとく。…んで、今日の訓練だが…」
「はい」
昨日みたいに、倒れるまでやらされるんだろうか…
「実際の現場を見せてやる。着いてこい」
「……はい？」
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作者名：櫻ノ院 小汰楼 | 作成日時：2020年4月9日 21時
