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♡
「…え」
結界の中に結界って…
まるで、マトリョーシカみたい…
「体力がねぇ雑魚なてめぇは行きつかねぇ発想だとは思うが…俺ァ生憎体力なんざ関係ねぇ、だから１度に何重でも張れる。重ねた分だけ強度は増す。１枚目が割れても２枚目がある。２枚目が割れても３枚目がある。割るのに手間取ってるところを殺す」
「ころ……」
「ま、俺の結界はクリスタル並の強度だ。そこらの落ちぶれたクソ敵共にゃ割れねぇ」
…重ねて張る、かぁ…
やろうと思ったこともなかったな…
同時に違う方向に出すのも結構難しいのに、ミリ単位で何個も同じところに出すなんて、私にできるのかな…
「てめぇのもう１つの個性の方だが」
「はい」
「空中に硬化物質を作る個性と感情を色で表す個性だったか、その個性は…」
「…え？」
それってたしか…お父さんのノートにも書いてあったけど…
…私、プロテクトさんにそんなこと言ったっけ…？
「あの、どうしてそれを知って……」
「あ゛？……あ゛ー…。……知り合いのツテだ」
知り合い…
お父さんの仲間にでも聞いたのかな…？
でもお父さんに、サイドキックとかはいなかったはず…
「…んなことより、だ。体育祭ん時、てめぇはずっと金髪野郎に向けてただひたすら打ち込んでたなァ？」
「あ、はい。あれしか方法がないと思ったので…」
「アホだろ」
「う…」
「空中に作れることが分かってんなら腹パンされた時も腹の前に作って防ぐことができたはずだ。なのにてめーときたらバカの一つ覚えみてぇに変な形作っては打ち、作って打ち……ほんもんのバカだ」
…めちゃくちゃズケズケ言ってくるな、この人…
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作者名：櫻ノ院 小汰楼 | 作成日時：2020年4月9日 21時
