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「全員コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ。くれぐれも体験先のヒーローに失礼のないように。じゃあ行け」
「「「「「はい！」」」」」
今日から１週間、職場体験が始まる
同じ体験先に行く人はいないから１人で向こうまで行かなきゃならない
…電車、間違わないようにしなきゃ…
「んじゃ、方向音痴発揮すんなよ澪。アタシ同じ方向じゃないなんだからさ」
「あはは…気をつけるね」
そう言って行こうとした矢先、ぐいっと腕を引っ張られた
後ろを振り向くと、勝己が泣きそうな顔をして私の服の袖を握っていた
「か…勝己？どうしたの…？」
…あ、そっか
１週間離れるんだった…
こんなに離れるのは久しぶりだな…
寂しいな…
勝己も、寂しいんだ…
「朝と夜になったらちゃんと電話するね」
「１秒ごとに電話してこい」
「それは無理かな…。んで、もう行くから離して？」
「……」
なかなか離してくれない勝己
どうしよう、もう行かないといけないのに……
「詠守ィ！行け！！」
「俺らが止めてるうちに！」
「へ？あ、うん」
切島と上鳴が勝己を羽交い締めにして押さえ込んでくれたお陰で、その間に離れた
「じゃあまたね、勝己、みんな」
「離しやがれモブ共！！クソが！！」
…さては勝己め、さっきまでのは演技だったな…
してやられた…
「オイ澪！テメェ怪我したら承知しねェぞ！」
「うん！バイバイ！」
…最後は優しく(？)送り出してくれるんだね…
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作者名：櫻ノ院 小汰楼 | 作成日時：2020年4月9日 21時
