第二十三話 ページ25
学園長に手短に帰ってきた事を報告すると、制止も聞かずにAは爽花の元へと向かった
くのたま長屋の爽花の部屋を開けると、やはり爽花は居た
先程とは違い「どーも」と余裕綽々といった風に、寝転がっていた
「爽花さん、さっき隠した物を…」
「で、何処行ってたんです？」
台詞に被せるように問う爽花。Aは小さく溜め息を付くと「故郷へ」と答えた
爽花の質問は止まらない
「そ。でも、そんだけじゃないでしょ」
「ど、どうしてわかるの？」
「A先生の寂しさは、故郷からこっちに戻ってきたようなもんとは違うから。どっちかってと、色恋沙汰の」
「……………」
「ふうん。その反応的には当たりって訳だ。相手は？」
「あ…あのね爽花さん…！」
「誰？」
真っ直ぐ見つめてくる爽花。後ろめたい事など無いはずなのに、思わず顔を逸らしてしまう
爽花は黙って、答えを待っている
「誰にも言わないでね」と念を押し、観念したように本当の事を話した
「へえ…土井先生の所でねえ」
満足そうに顎を撫でる爽花。Aは、どうして生徒にこんな話をしているのだろうか、と顔を真っ赤にさせた
「つまりは、土井先生と離れんのが嫌だってことだ」
「どうしてそうなるんです！違います…！」
「いや、違わないね」
何故か自信たっぷりに断言する爽花を不思議そうに見つめるA
爽花はまたいつもの飄々とした感じに戻った
「あたしに他も話してみてよ。…そんだけじゃないんでしょ」
他人に広めるつもりは無い、と目で訴える爽花。Aは正座で座り、懐かしさを感じた事も何もかも話した
「いや、まあ…普通に土井先生の事好きなんじゃないすか」
Aは絶句した
爽花の「大の大人が、自覚無しはキツいですよ」という発言も頭に入っていなかった
──たしかに、土井先生は素敵な方だとは思う。でも、私なんかがおこがましいのではないか？
「好きになるのに、上下も身の程知らずも無いですよ」
「…こ、心でも読めるの？」
「んー…」と爽花は唸るが、顔を上げ口角を上げて笑った
「ま、忍術学園のくのたま番長は恋愛番長でもあるって事で」
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つあ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。ドキドキしながら読ませて頂きました！素敵な作品をありがとうございます！！ (2022年4月10日 21時) (
レス) @page32 id: 1b35df4618 (このIDを非表示/違反報告)
花太郎(プロフ) - 幼稚園並みに幼い絵を描く自分からしたら絵が上手ですね 羨ましい 漫画で好きなキャラも書けません コツとかあるの？ これからも応援していきます (2015年9月8日 21時) (レス) id: 558271d4dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦浦麗音 | 作成日時：2015年7月26日 23時
