第十四話 ページ16
Aと学園で初めて会ったとき
──昔の知り合いと同じ名前なのか…覚えやすくて良いかもしれない
と暢気な事を考えていたが、実際昔の知り合いとAは同一人物であったのだ
何故、直ぐに気付かなかったのか、と当時の自分に叫んでやりたい気分に半助はなっていた
『おはようございます、半助さん。朝からお疲れ様』
『半助さん。今日、母と一緒にお弁当を作ってきたの。和尚様や、他の小坊主さん達とどうぞ』
『半助さん。私……ううん、何でもない』
半助さん、半助さんと毎日名前を呼んでくれる彼女を密かに想っていた─そんな過去を思い出す
既にAの話は頭の中に入ってこず、どんな表情をすれば良いのか分からなかった
話を聞くところ、Aは半助を覚えている様子はない
再会を喜べば良いのか、彼女に覚えてもらえていなかった事を悲しめばいいのか
様子がおかしい半助に気付いて、Aは語りをやめる
──もしかして、神道の人なのかしら
と勘違いも甚だしい事を考えていた
微妙な空気を割いたのは、Aの腕の中に居た赤ん坊だった
「あ…二人が起きたらいけないから、少し中庭に出てきますね」
「えっ？！あ、はい！」
赤ん坊をあやしながら、いそいそと家を出ていくAに少し安堵してしまう
一年は組のよい子達以外で胃が痛くなるのは初めてだ、と半助は腹を労わるようにさすった
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つあ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです。ドキドキしながら読ませて頂きました！素敵な作品をありがとうございます！！ (2022年4月10日 21時) (
レス) @page32 id: 1b35df4618 (このIDを非表示/違反報告)
花太郎(プロフ) - 幼稚園並みに幼い絵を描く自分からしたら絵が上手ですね 羨ましい 漫画で好きなキャラも書けません コツとかあるの？ これからも応援していきます (2015年9月8日 21時) (レス) id: 558271d4dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦浦麗音 | 作成日時：2015年7月26日 23時
