やわらかな午後に遅い朝食を【短編集】 (ページ42)

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やわらかな午後に遅い朝食をページ42

『おはよー…』

｢おそよう、(笑)｣

『そっちこそ』

｢休みだからって寝すぎた～｣

『結構遅くまで映画みたもんね』

｢もう午後になっちゃうよ｣

『やばいわ』

｢コーヒー入れたけど、飲む？｣

『うん、ありがと』

｢あとね、昨日パン買ってきた｣

『おぉ、食べる』

｢なんか朝食みたいだね｣

『たしかに、コーヒーとパンで』

｢このパンおいしいね｣

『ん、これすき』

｢朝食にしては遅すぎるなあ｣

『まあ、こういうのもたまにはね』

｢ありかな｣

『何かを始めるのに遅すぎるなんてことはないんだよ』

｢え～深い｣

『棒読み』

｢ふふ、｣

『今日いい天気だなー』

｢ね。カーテンの隙間からさす光がいい感じにあったかい｣

『ほんとだ。ポカポカだな』

｢ねむくなるね｣

『もっかいねる？』

｢さすがにねすぎー｣

『また寝て起きたら、生まれ変わった自分になれるかもよ』

｢なに今日、深そうなこと言うじゃん、｣

『んー、寝ぼけてるかも』

｢帰ってきて～｣

『ね、来て』

｢なに、コーヒーまだ飲みかけなんですけど～｣

『いいから！』

｢はいはい、｣

｢ねえ｣

『ん？』

｢私、生まれ変わんなくていい｣

『え？』

｢休みの日に遅くまで寝て、遅い朝食を好きな人と一緒に食べるのが幸せだから｣

『はは、俺も～』

『今日は何しようか、』

｢うーん… とりあえず今は、このままでいたいかな｣

やわらかな午後に遅い朝食を