やわらかな午後に遅い朝食を【短編集】 (ページ41)

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テンポのいいやり取りに思わず笑ってしまうと、彼女はまた嬉しそうに笑って俺の顔を見る。今日はやけに俺の顔を見てくるなと考えていると彼女はもともと近い距離を更につめて、俺の左側の前髪を指で軽く流した。

｢こっちの目が特に、笑うと綺麗な弓型になるの｣

涼｢左目？｣

｢そうだね、私から見たら右だけどね｣

それも好き、とニコニコしながらこぼす彼女。髪に触れた綺麗な指とその優しい笑顔にドキッとしてしまう。いよいよ恥ずかしくなってきたから意識を彼女の顔に移す。

涼｢Aは、笑うと目がなくなるよね｣

｢それ褒めてる？｣

涼｢褒めてるよ。それがすごく可愛い。｣

そういうと彼女は照れて顔を俺の肩とソファーの間に埋めた。こうなってしまえば形勢逆転だ。

涼｢俺はね、Aの手好き｣

｢そうなの？｣

涼｢うん、ちっちゃいけど指スラッとしてて、爪が綺麗。｣

｢、でもタコできてるし、荒れやすいよ｣

涼｢それも含めて、ね。仕事頑張ってるとこも好きだから。｣

｢なんか、照れる｣

褒められるのも嬉しいけど、やっぱりドキドキさせられるのは性にあわない。こうして彼女の照れている姿を見るのが好きだったりするから。俺にドキドキしてくれてるんだなってわかるから。

｢そう言ってくれると、自分の手好きになる。｣

同じことを感じていることにまた嬉しくなる。彼女のこういう素直なところも好きだ。好きなところをあげたらキリがない。彼女の存在自体が好きで、彼女という存在に常にときめいてしまうんだ。

いつまでもときめきを