やわらかな午後に遅い朝食を【短編集】 (ページ40)

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君の好きなところ * Ryota.M ページ40

｢私、涼太の目が好き｣

夕食を終えてソファーでゆっくり食休みをしてる中、俺の顔をじっと見つめてきたと思えばそんなことを言い出す彼女。
俺自身、｢かわいい｣とか｢綺麗｣とかをあまり恥じることなく言えるタイプだと思うけど、彼女も基本的に思ったことは口に出すタイプ。にしても、顔の一部をピンポイントで褒めてくるのは珍しい。｢目が好き｣だなんて、言われることがなくてむず痒い気持ちになる。

涼｢なに、急に。｣

｢んー、そのまんまよ。｣

｢ずっと前から思ってたけど、涼太の目の形がすごい好きなんだよね～｣

涼｢形？｣

｢うん。ちょっとつってて、黒目がちで。アーモンドアイみたいな｣

涼｢へぇ～…｣

不思議なもので、こうして好きな人に褒めてもらった部位は自分でも好きになってしまう。自分の目は綺麗なくっきりとした二重でもなければ特別大きくもない、そんなに印象的な目をしてるわけじゃないと思っていた。でも、彼女が｢好き｣と言ってくれたから、そんな自分の目が特別なものに変わる。

涼｢A、アーモンド好きだもんね｣

｢うーん、それとはまた別だけどね(笑)｣

涼｢Aの目は何アイ？｣

｢んーどうだろ、｣

涼｢ピーナッツ？カシューナッツ？｣

｢ナッツ縛りとかないから！(笑)｣