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お迎えにあがりました * Hikaru.I ページ36

雨は好きだけど、好きじゃない。


部屋の中から見る雨は好き。
雨のフィルターがかかった町はいつもと違ってなんだか雰囲気がある。窓にあたって落ちていく水滴を目で追ったり、雨の音と外の音が混ざり合うのに耳を傾けたり。なんか、その雰囲気に浸ってしまう。


雨の中外に出るのは好きじゃない。
いつも自転車で通勤してるけど雨だと自転車に乗れないから不便。傘を持つと片手が塞がるし、足元はすぐ濡れちゃう。何より、出かける前に雨のために通勤時間を調整したり服装を考え直したりしなきゃいけないのが面倒に感じる。


見てるだけなら好きでいられるのに、なんて都合がいい生活できない。仕事してるもんな。



そして今日はあいにくの雨。この時期はいつ雨が降るかわからないから、ハナから仕事にはバスで行くことに決めている。朝は晴れてるからって自転車で行ったら帰りにはどしゃぶり、なんて何度経験したかわからないくらいだし。私だって学習してるんだから。


それに、バスに乗ること自体は嫌いじゃない。朝も夜もラッシュの方向とは逆だからあまり混んでいないし、それこそ、雨を見ているだけで家の近くまで帰れるから。その時は決まってイヤホンをつけて好きなアーティストの音楽を聴く。雨の日にぴったりな、穏やかで優しい曲を。そうすると、なんとなく優雅な気持ちになれる。


車内アナウンスが音楽の向こうに聞こえる。アナウンスを最後まで聞いて、停車ボタンを押す。この優雅なひとときもおしまいか。窓のあっち側では相変わらずしっかりと雨が降っていて、今からここに身を晒すのかと思うと気分が落ち込む。バスを降りたら家の目の前ならいいのに。それか、バス停から家まで地下通路で繋がってるとか。

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エマ(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます! (2020年6月26日 10時) (レス) id: 33d9c37471 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エマ | 作成日時:2020年6月26日 8時

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