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__こりゃやばいな。
そう思った時は、意外と上手くいくから逃げずにどんと構えてなさい。…亡くなった父の遺言である。
今の状況がその言葉通りであることを祈りながら、陥った経緯と原因を思いだす。
午後4時。あの独特なメロディーをBGMに、私は作り笑顔を振りまいていた。
慈悲深い師匠のお金と愛情で育って約1年。このままではいけないと、実はアルバイトを始めているのである。
残り物とか頂けないかとマ〇クで働くことになった私は、さっそくレジ打ちにまわされた。
そう、これが原因だ。
正直、ポテトとかつまみ食いしそうなので、残念感とホッと感の半分半分であったが、物覚えはいい方なのですぐにまわせるようになった。
が、ここで緊急事態が発生した。
「お待たせしました、次のお客様どう、ぞ、」
身に覚えのある顔が4つ。中学の部活仲間、だったらまだ良かった。まぁ、部活仲間は私のことが嫌いだろうけど。
……まぁ、こんな話はどうでもいいのだ。
私が言う緊急事態とは…、
「あ"あ!!?テメェ半間の女じゃねぇか!!!」
まさかまさかのマッカーサー。主人公もびっくり「ゾンビ軍団殺られ隊」のみなさんがやってきたのだ。
「……えと?あの、えーと、…………人違いです」
「嘘つくな!!」
「まさかお前とまた会えるとは嬉しいぜぇ!?なぁ!?」
「あはは、私もまさかお会いするとは、……あと、店内ではお静かに願います」
「テメェ、また痛い目にあいてぇみたいだなぁ!!?」
「…………それはあなたがたの方では?」
強気に言ってるが、実はこの女、
足がガッタガタの子鹿である。
そもそも10人中5人が気弱と評する私がこんな大口叩いて平気なわけがないのだ。
助けを求めてギャラリーに目を向ければ、誰もが目を逸らしはけていく。
先程までガヤガヤと賑やかだった店内も、しんと静まりかえり、「この薄情者め〜」と全員を投げ倒したい気分であった。
元最強のヤンキーとかいう漫画じみた設定があればいいのだが、残念ながら喧嘩を嗜めるほどの強靭な肉体は持ち合わせていない。
静まり返る店内には、メンチを切る男たちの怒号と、ポテトが揚がったことを知らせるあの謎の音がBGMとして流れている。
お気づきだろうか。
八瀬A。この時点で父の遺言を破りそうなのである。
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すき子(プロフ) - ゆうなさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて本当にうれしいです(土下座)これからもお楽しみいただけるように頑張ります!! (2022年2月15日 7時) (レス) id: da856dbd0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 続編おめでとうございます!!そしてありがとうございます(土下座)前編からお話が面白くて後半はキュンキュンって、最高すぎる!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年2月15日 1時) (レス) @page5 id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
すき子(プロフ) - 楸さん» コメントありがとうございます!今回は前回よりもキュンキュン全開でいこうと思っていますので、最後までお楽しみ頂ければ幸いです。頑張ります!! (2022年2月13日 11時) (レス) id: da856dbd0b (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - もう好きです。続編おめでとうございます!!もう初っ端から心を鷲掴みにされちゃってます‥‥。これからも頑張って下さい!! (2022年2月13日 0時) (レス) @page3 id: 22f489ff48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すき子 | 作成日時:2022年2月12日 23時