番外編・北山先輩 ページ27
俺が今まで付き合ってきたどの女の子よりもこいつが一番可愛げない。
だけど、半年付き合った誰もが羨むような美人な彼女をあっさり振ってまで、俺はこいつといたいと思う。
気づいてしまった想いは日に日に大きくなっていて、俺自身も戸惑ってしまう。
目の前のこの可愛げのない後輩のことを、好きなんだって。
「�盒兇辰董�彼氏とかいんの？」
バサッ、
何気なく聞いただけなのに、�盒兇亮蠅�らはさっきやっとまとめ終えた資料が落ちて床に散らばった。
分かりやすいぐらい動揺するこいつに、逆に笑えてきた。
『…いませんよ……いたら今こんな雑用してませんから』
本当かよ。
そう思ったけど口には出さずに目の前の�盒兇魎兒，垢襦�
睫毛…、長いな…
「へぇ、でもさいつも同じ学部の男子と帰ってるとこみるけど？ほら、あの黒髪のさ、背の高い…」
そこまで言って�盒兇諒�を見ると少し焦ったような、顔を赤くして目を丸くするこいつに俺は目を奪われた。
おまえでも、そんな顔するんだな。
「ただの友達」って言う�盒兇陵融劼�らしてそれは違うってすぐ分かった。
あぁ、俺って…
傷つき下手なんだな。
こんな時ぐらい思い切り傷つけばいいのに、
なんでか格好つけていつものようにヘラヘラしてしまう。
�盒兇呂匹鵑粉蕕靴討修い弔里海範辰靴討襪�知ってるのだろうか。
しばらくしたら�盒兇�その男子といるのをぱったり見なくなった。
少し前にあいつが泣いていたのはあの子が原因なんだろう。
いつものポーカーフェイスはどっかにいってしまって、
ぽろぽろ涙を流す�盒兇鮖廚錣妻�きしめてしまった。
『…………先輩、ありがとうございました』
まだ赤い目を擦ってそう言った�盒兇鯲イ靴燭�なかった。
泣くなよ、バカ。
そんなに辛いなら俺にすれば？
俺おまえのこと好きなんだけど。
言いたくてたまらないのに、
こいつの涙は俺のためじゃないんだなって思ったら、言えなくなった。
「素直になれよ、バカだなァ」
その言葉は�盒兇妨�けたものじゃなくて、
いつまでたっても伝える勇気さえない俺自身に向けたものだった。
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作者名：ちゅん | 作成日時：2017年2月21日 0時
