共通点は血液型 ページ3
「�盒供△気辰�のところ教えて」
『…………分かった』
横尾くんはたまにこうやってあたしのところへ授業の解らないところを聞きにやってくる。
先生のところへ行けば早いのに。
なんてその理由を分かってるからこそ、
余計彼のその真っ直ぐな想いがあたしには照れ臭くて、
変に意識してしまうから二人きりの時間がたまらなく嫌だ。
「……ここなんだけどさァ」
『あー…ここはね、こうすると簡単に解ける』
横尾くんは飲み込みが早い。
一度言ったらもう次には間違えない人だ。
だから彼の方があたしより幾分頭がいいはずなんだけど、
やっぱりこうやってわざわざあたしに頼むのも、
あたしのことを好いてくれてるからなんだろうか。
「�盒兇辰謄痢璽煩楪¬未世茲淵 ■膳拭�」
『あ、うん……口うるさいっていつもりっちゃんに言われるよ』
「ははっ、萩原かー…あいつB型っぽいもんなァ」
そう言って笑う横尾くんに本当は「りっちゃんはAB型なんだよ」と言おうとしたとき、
横尾くんが息を吐くように何気なく言った言葉に身体が止まる。
「………俺はＡ型…………一緒だな、�盒兇函�
『……あ、そう、なんだ』
あ、声が上擦った。
「おう、俺もよく玉にうるさいって言われるよ」
困ったように眉を下げて苦笑いする横尾くんから、
なんでか目が離せない。
『…………………』
「………………�盒供�見すぎ」
『え、……っ、あ！ごめん！』
「…ぶはっ、そんな必死になるなよ」
『……………っ、』
口を大きく開けて目をクシャッとして笑う。
そういえば、この顔を初めて見たときは心臓が止まるかと思ったっけ。
素敵な笑顔の人だなと思ったんだ。
りっちゃん、この顔をする横尾くんは確かに「可愛い」と思うよ。
そんな事を思っていると、横尾くんの手が止まっていることに気づいてハッと顔を上げる。
『…………………………』
「………………いいよ、�盒兇覆蕁�
『……………………え、』
「�盒兇覆蕁�俺のこと見ていいよ」
「好きなだけ見てれば？」といたずらっぽく笑った後、またノートに視線を移した。
何も言い返せないあたしは、そのまま教科書をパラパラと意味もなくめくって、
うるさく鳴る心臓をどうにか黙らせようと必死だった。
9月、まだ夏の暑さを感じさせながら、
自習室の窓から入る風は秋の匂いがしていた。
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作者名：ちゅん | 作成日時：2017年2月21日 0時
