【鋼の錬金術師】三兄弟の錬金術師 Ⅱ (ページ6)

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少佐の怪力で抱き潰されたエドだったが奇跡的に軽い怪我で済んだようだ。…バキバキベキョ、というハグでは絶対に鳴ってはいけない音が聞こえた気がしたがそれは内緒にしておこう。

少佐はエドの首根っこを猫をつまむようにして持ち上げながら少尉と軍曹に向き直った。

「あとはまかせた！」

「「はっ！」」

「えー？また護衛つけなきゃならないのかよー」

「当然である！」

「東方司令部の報告によるとスカーもまだ捕まっていないようですし事態が落ち着くまで私達が護衛を引き受ける事になっています」

「少佐ほど頼りにならないかもしれませんが腕には自信がありますので安心してください」

少尉と軍曹に案内されながら駅を出た私達は、あらかじめ用意されていた車に乗せられた。
三人で座るには少し窮屈なシートに大人しく座っていると、エドが不機嫌そうな様子で悪態をつき始める。

「しょーがないなぁ…」

『まーまーそういうなって兄さん』

「姉さんの言う通りだよ兄さん。“よろしくお願いします”って言わなきゃだろ」

そんなことを言いながら2人でエドを宥めていると、突然軍曹が驚愕の声色で私達の会話に反応した。

「兄…！？ええと、この女性と鎧の方は妹さんと弟さん…？」

「はぁ…厳密に言えば双子ですけど…」

「それにしても何故鎧のお姿で……？」

ピシ、とその言葉に私達は身体を強張らせる。
3人で無意識に顔を見合い、私とエドの額にはだらだらと汗が滲んでだ。
そして軍曹の問いに出した私達の答えは＿＿＿＿＿

「『「趣味で」』」

なんとも馬鹿な言葉だった。
それを聞いた少尉と軍曹は険しい表情でヒソヒソと喋りあっている。
そんな2人の様子を見た私達は焦りながらなんとか話題を逸らそうと、車の外に姿を現してきていた建物へ注意を向けた。

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「ああ、あれが国内最大の蔵書量を誇る国立中央図書館です。全蔵書を読み切るには人生を百回繰り返してもまだ足りないと言われている程です」

車から降りた私達は少尉達に案内されながら図書館へ案内される。

「そしてその西隣に位置する建物がお三方の目的とする第一分館。ここには様々な研究資料や過去の記録各種名簿等が収められて………いるの………ですが……」

少尉の言葉が詰まってすぐ、私たちの目の前に信じがたい光景が広がった。