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―――しばらく研究所内を探索している時だった。
階段を登ったり、階の突き当たりまで行ったり、手当り次第に部屋を漁ったり―――そんな事をしていると、私は一際大きな部屋の入口を見つけた。1人でズカズカと行動するエドの襟首を引きずって、私達はその入口を潜る。
部屋―――と言うには、あまりにも広い室内だった。
何本もの柱が聳え建ち、柱の内部には照明が組み込まれている。
『なんだこれ…』
―――そして何より目に付いたのは、部屋の中心にデカデカと描かれている巨大な錬成陣だった。
錬成陣の中心には円柱状の台がポツンと設置してある。その陣は五角形を円で囲ったような形状をしており、五角形の頂点には何かの跡が残っている。
「ひょっとして、賢者の石を錬成するための…「その通り」
『！』
エドの声に何者かの声が重なった。声がした方向を振り向くと、暗闇からガシャンと音を立てながら、こちらに近付く鎧の男の姿が現れた。その男の手には長身の刀が握られている。
「どこの小僧と小娘かしらんが、石について深く知っているようだな」
『…』
明らかに友好的ではない雰囲気に、自然と身体が戦闘への準備を始める。しかし、なんだろうこの感じ。今までの相手とは違う、背筋がビリビリとするようなこの殺気は。
「私は守護を任されている者、ナンバー48と取り敢えず名乗っておこうか。ここに入り込んだ部外者は、全て排除するよう命じられている。悪く思うな」
「………そっちこそ」
パンッ、と掌を合わせる乾いた音が響く。エドは青い光を発しながら機械鎧の一部を鋭利に尖らせた。
すかさず私も地面に手を置き、マチェーテを錬成する。
「小僧と小娘に倒されても悪く思わないでくれよな」
「ほう！錬金術というやつか」
鎧の男―――いや、48は一瞬関心したような素振りを見せると、瞬時にエドとの間合いを詰める。恐ろしい程の速さに圧倒され、動きが遅れてしまった。
「手並み拝見…」
『ッ兄さん上だ！！』
エドは一瞬私の方を見ると、声が届いたのか瞬時に頭を低くする。ビュッ、と刀が空気を斬る音が鳴り響いた。
「むん！」
48はエドが刀を避けても攻撃をやめる事は無い。
刀を持ち直した48はすぐさまエドへ刀を振り下ろした。幸い、刃が当たった場所は機械鎧。服が破れた程度で済んでいたが、次に避けれる保証は無い。
「…っ！！」
「肩まで鋼の義手か。命拾いしたな――だが！我が愛刀は鋼さえも貫く！！」
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月20日 1時
