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「いやーぶっちゃけ言うとさ、国とか軍とか知ったこっちゃないんだよねオレ





____単刀直入に言う!賢者の石をよこしな!そうすれば街の人間にゃあんたのペテンは黙っといてやるよ」

「はっ!!この私に交換条件とは…貴様の様なよそ者の話など信者共が信じるものか!奴らはこの私に心酔しておる!忠実な下僕だ!きさまがいくら騒ぎ立てても奴らは耳もかさん!!


そうさ!馬鹿信者どもはこの私にだまされきっておるのだからなぁ!!」


顔をぐちゃぐちゃに歪めながら高笑いする教主に心底吐き気を覚えた。こんなヤツがこの世に何人もいると考えると目眩がする。


「いやーさすが教主様!良い話聞かせてもらったわ」


パチパチと手を叩きながらやれやれという様にエドがアルに目で合図をする。
するとアルは鎧の一部を外し始め____


「たしかに信者はオレの言葉にゃ耳もかさないだろう……けど!」


ガシャッ、とアルの鎧の一部が地面へ置かれる。
鎧の中から現れたのは___


「彼女の言葉にはどうだろうね」


教主の言葉の一部始終を聞いていたロゼだった。
瞬間、教主の余裕の表情が一気に焦りへと変わる。


「!?ロゼ!?いったい何がどういう……」

「教主様!!今おっしゃった事は本当ですか?!私達を騙していらっしゃったのですか?!奇跡の業は…神の力は私の願いをかなえてはくれないのですか?!


あの人を甦らせてはくれないのですか?!」

「ッ……ふ、たしかに神の代理人というのは嘘だ…


だがな、この石があれば今まで数多の錬金術師が挑み失敗してきた生体の錬成も…おまえの恋人を甦らせる事も可能かもしれんぞ!!」

『!ロゼさん、聞いちゃダメだ!!!』

「ロゼ、いい子だからこちらにおいで」

「行ったら戻れなくなるぞ!」

「さぁどうした?おまえは教団側の人間だ」

「ロゼ!」

「おまえの願いをかなえられるのは私だけだ。そうだろう?最愛の恋人を思い出せ



さあ!!」



タッ

軽い足音共にロゼが選んだのは、教主の方だった。
エドは困った様に頭をかいている。


「二人ともごめんなさい。それでも私にはこれしか…これにすがるしかないのよ」

「いい子だ…本当に…」


先程まで焦っていた教主の表情はみるみる悪どい笑みに変わっていく。


「さて、では我が教団の将来をおびやかす異教徒はすみやかに粛清するとしよう」

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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時

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