･ぼくと俺 ページ29
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文化祭2日目,一般客が学園内を歩き回りながら教室へと入っていく。
執事喫茶と言う名前に導かれる様に,お客さんが列をつくっていた。
女性客が多い中,1人男性客がテーブルへ案内される。すぐに注文が決まったようでオーダーを取りに行くとその人は驚いたような声を上げた。
男「あれ…もしかして紅葉たん？」
背筋が凍る感覚…何でぼくを知ってるの？
男は徐ろにカバンから写真を出し,それをぼくに見せつけてきた。
そこに写っていたのは女装し乱れた姿の自分。
顔に白濁をつけ,ピースをして笑っている…
"あまりにも気持ち悪い姿だ"
男「僕は紅葉たんがあのお店を辞めてから,ずっと死にそうだったんだ!!僕のお嫁さんになってくれるって約束したよね？」
周りからの奇異な目…やめて,過去のぼくを晒さないで。
夏月が来た次の日,ぼくはあの店をやめた。
あの頃までは幸せだった。でももうあの場所には戻りたくない…
"ぼくだって変わりたいんだ"
男は黙って見ているぼくの肩を掴み,顔を近付ける。
やめろ…触るな,寄るな!!
男「ねぇ,戻って来てよ!!僕の大事な紅葉たん!!またいっぱい遊ぼうよ」
変な男の言動に客の何人かが席を立ち始める。
声に出して文句を言いたいのに,何故か口は固く閉ざされ様に動かない。
いつまでも俺は弱いままかよ…
？「お客様,他のお客様の迷惑になりますので一旦外へ出てください」
間に割って入るその男は,ぼくとその客との距離を無理矢理離すとぼくの前に立つ。
男「邪魔だ!!ぼくは紅葉たんに話が…」
言いかけていた男の胸ぐらを掴み,耳元で何かを伝えると顔を青ざめ,そそくさとカバンを持って出て行った。
？「気色わりい客…洗いに行くか」
教室を出て後を追いかけた。
服の袖を掴み顔を上げると,メガネ越しの瞳がぼくを見る。
紅「ありがとう…夏月」
夏月は何も言わずに歩き出す。
紅「あのさ夏月!!」
振り向かずに脚だけを止めた…
紅「俺の過去をお前に話したい…」
何かを察した夏月は,教室には戻らず空き教室へと俺を誘った。
向き合いながら話すのは正直緊張する…
ゴクリと生唾を飲み込む。心臓がやけにうるさい…静まれと念じても静かになる気配はない。
上手く伝わるかどうかはどうでもいい…
紅「俺はｰｰｰｰ」
話し始めると長くなりそうだな…
話し終えた時は,夏月は俺をどんな目で見るんだろう…
どうかこの関係が壊れません様に。
壊れたら俺はどうなるんだろうな…想像したくもないな。
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B民(プロフ) - 中途半端な愛さん» コメントありがとうございます,今後の2人の展開を楽しみにしていてください♪ (2019年2月3日 1時) (
レス) id: 572b3d69bd (このIDを非表示/違反報告)
中途半端な愛 - 夏月たちがどうなるのか気になります！ 読んでいて感情を揺さぶられる作品で、、、最高です。最高。 更新頑張ってください！ (2019年2月2日 23時) (レス) id: 55fb495860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：B民 | 作成日時：2018年7月24日 20時
