二十四 ページ26
無一郎「あ、○○。おかえり、何処行ってたの。」
わぉ…。
屋敷の戸を開けるや否や、ひょこと出てきた無一郎君。
『天ぷら作ろうと思って。材料買ってきてたの。』
無一郎「へぇ、そっか。」
『え、うん……?』
自分で聞いたにしては興味無いな?無一郎君………。
無一郎「で、何で天ぷら…?」
あ、興味はあるみたい。
珍しく(いつもは無いもんね)。
『無一郎君、炭治郎さん達に御迷惑かけてばっかりだなって思って。
炭治郎さんと禰豆子ちゃんと…善逸さんは、好きな物が分からなかったから…。』
無一郎「それで………、」
無一郎君は何処か納得したようにふんと頷いた。
【炭治郎さん達】から、この3人が分からないなら、後は嘴平さんしか居ないからね。
何で天ぷらを作ろうとしたかも分かったんだと思う。
…………えっと………。
無一郎君黙っちゃったよ…??!
何か変な事言ったっけ…?????
あれ…、最近は何だか慌ててばっかりな気がする…………。
でも本当に無一郎君話さないよっ????!
『えと、あの、無一郎君…?』
無一郎「何。」
あ、怒ってる訳では無い…のかな…?
きょとんとした顔で此方を見てきた無一郎君にほっとしながら、溜息も吐く。
無一郎「ねぇ、今日夜ご飯何…?
お腹空いた。」
無一郎君もふっと息を吐いてそう溢す。
『夜ご飯………。』
…何にしよう…?!?!!!
全く考えてなかった、夜ご飯の材料も考えて買っておけば良かった………っ…。
茄子……。
『茄子と大根………。』
でもなぁ……。
茄子、天ぷらの分も残しとかないとだし……。
私の分は後で別に作ればいいか、取り敢えず無一郎君だよね!!!!
無一郎君の分だけなら足りるだろうし!!!
『煮物作るね、すぐ食べたい?』
無一郎「うん、出来るだけ早い方が良いな。
でも、○○が作りやすいペースで…。」
うわぁ、優しい。
無一郎君もただの人形じゃないんだしね。
当たり前なんだけど………。
『うん、ありがとうっ、
出来るだけ早く頑張る…!』
私はそう無一郎君に告げて、台所に向かった。
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作者名:つっきい。 | 作成日時:2023年5月4日 12時