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二十三 ページ25

『…カナヲちゃ、?』

 
私はカナヲちゃんに離れてもらおうと声を掛けようとしたんだけど……。



その口はぐいと近づけられたカナヲちゃんのお陰で閉じてしまった。



怒ってるのかな……?!!?!



迷惑掛けすぎちゃった…?!??!



カナヲ「私、買ってくるから。」



『ぅ、えぇ………。』



カナヲちゃん…。



そんなに迷惑だったかなぁ……………。



いつもと違うズバッとした言い方だったし、相当怒らせちゃったのかも知れない……。



『カナヲちゃ、………あれ………、』



カナヲちゃんに謝ろうと思って我に返ると、店にずんずん入っていくカナヲちゃんの姿が。



『……待ってようか…………。』



行ってもまた迷惑を掛けてしまうかも知れないし。



今はここで待ってるのが最善………だよね、きっと…。



あ、簪いっぱい売ってる…、見てみても良いかなぁ………。


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十分ほど経ったのかな。



カナヲちゃんが店の奥から出てくるのがちらちらと見えた。



『あ、カナヲちゃ〜んっ!!』



ぶんぶんと手招きすれば、少し慌てたような顔で小走りしてきたカナヲちゃん。



『ごめんねカナヲちゃん、
 付き合って貰って、買い物まで………。』



こ、こういう時ってどうすれば良いんだろう…???



えと、お辞儀…???



こういう時にするお辞儀はお辞儀じゃないか…????



頭を下げる……?



カナヲ「大丈夫。
  これ、天ぷらの作り方………。」



『え、いつの間に…?!!』



カナヲ「簪、凄く集中して見てたみたいだったから…。
  お店の人に書いてもらって……。」



わわ、お店の人にまでご協力を…。



今度できた天ぷら持っていこう…。



『ありがとうカナヲちゃんっ!!
 頑張って作るね、私!』



カナヲ「うん…、頑張れ…。」



だっと駆け出した私は、振り返ってぶんっとカナヲちゃんにお辞儀をした。



多分…、これはお辞儀でいい。はず…。

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作者名:つっきい。 | 作成日時:2023年5月4日 12時

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