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松田「A」
A「…え?」
松田「ちゃんと言葉で」
この前の返事って?
唇が微かに触れる距離で言葉をねだる彼。
予想外の反応に私はあわあわしてしまい顔が熱くなる。
A「ちょっ…と!」
そういう松田さんも顔は真っ赤なくせに困り果てる私の顔を見て満足気にしている。
松田「冗談だ」
言わなくてもわかると首筋に顔を埋めた。
そして俺でいいのか?と聞いてくる彼は諸伏さんを気にしていた。
A「私からちゃんと伝えます」
松田「俺から言うと喧嘩になりそうだからな」
話し合って公にするのはまだ先。全てが解決したら、と松田さんが言った。
気が付くと面会終了時刻。
名残惜しそうに手を触れてくる彼にまた明日も会えますよと言う。
松田「俺、頑張って良かった」
「また明日な」
扉が閉まり、1人取り残される。
無事に帰って来れて松田さんに思いを伝えられて安心した。
A「…普通、告白してすぐにキスなんかしないよね」
仕事で変装することはあるけれど、恋愛経験は年齢と同じな私は数時間前の出来事を思い出して大変恥ずかしくなった。
少女漫画か夢の国のラブストーリーの見過ぎを反省した。
退院したのはその2週間後。
折れていたと思っていた腕などは実は打撲や切り傷で、私がベッドから降りた時に立てなかったのは1ヶ月身体を動かしていなかったという事になっていたからだった。
松田さんの車に乗って久しぶりの花屋へ向かう。
急いで片付けしたのか所々荒れていたと思わせる汚れが目に映る。
松田「高木が喜んでいたよ」
A「なんでですか?」
松田「あの場に居たし、俺のかっこ悪い所をずっと傍で見てたからな」
私が帰ってきてからは普通のスーツに戻り喪服は着ていない。彼が元に戻った、それがどれだけ捜査一課を安心させたのかは電話で美和子さんや高木さんが教えてくれた。
松田「ほら着いたぞ」
花屋の駐車場に車が止まる。
私が荷物を持って出ようとすると松田さんに引き留められた。
A「?」
首を傾げると充電と言って手をぎゅっと握った。
A「隠すって言うけどすぐにバレそうですね」
松田「うるさい」
松田さんの充電が終わったところで花屋の鍵を開けた。
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明里香(プロフ) - 192話、出来したじゃなくて、でかしたです。 (2022年9月23日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
kne.hrknt (ハル)(プロフ) - blossomさん» 読んでくださりありがとうございます!これからも気長に待って頂けると嬉しいです。今後ともよろしくお願い致します^^* (2022年9月12日 7時) (レス) @page33 id: d39f522ad8 (このIDを非表示/違反報告)
blossom(プロフ) - えっ、えっ、えっ(以下略)...!?”帰る”って、え、この状況を知ってたってこと、預言者的な人がいた...!?!? すみません取り乱しました、更新を全力で待機します!!頑張ってください!! (2022年9月11日 21時) (レス) @page33 id: 2157140457 (このIDを非表示/違反報告)
kne.hrknt (ハル)(プロフ) - シンアさん» 数ある小説の中から選んで読んでくださりありがとうございます!!主人公の皆様をこんな未来に飛ばしてしまい…おじいちゃん学校組ですね(苦笑)これからもダラダラ進みますので気長に読んでいただけると嬉しいです^^*これからもよろしくお願いします!! (2022年8月27日 13時) (レス) id: d39f522ad8 (このIDを非表示/違反報告)
シンア(プロフ) - えっえっえっえ・・・気になりすぎて眠れない・・・とっても面白かったです!!陣平くんイケメンすぎてやばいです。60年後って。。ゆ、夢、ですよね?もとに戻りますよね?楽しみに待ってます!これからも頑張ってください!!! (2022年8月27日 2時) (レス) @page23 id: c430354ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kne.hrknt(ハル) | 作成日時:2022年8月8日 12時