花屋の店主は実は公安警察4 (ページ8)

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まだ遠くには行ってないはず！なんで外に出ちゃったの？？

A｢……熱せん妄？かな｣

高熱になると高熱が出た時に起こるせん妄状態のことで、人によっては異常行動を起こすことがある。
でも、子供がよくなるやつ。

子供ならまだしも、大人がなるとそれはそれで厄介。
暴れだしたり、幻覚見えたり、徘徊したり。

A ｢あーもう！早く見つけなきゃ｣

車をゆっくり走らせながら周りをキョロキョロする。黒いコートだけど私があげたマフラーを頼りに目を凝らす。

いた！

A｢松田さん！！外出ちゃダメですよ！｣

松田｢A…？なぜここに？｣

A｢また熱上がりました？ほら背負いますから｣

暴れることなく大人しく背負われる松田さん。
かなりしんどそうにしているのでUターンして花屋に戻った方が近そうだ。

松田｢…あいつら、Aのことは知らねぇとか言う｣

A｢あいつらって？｣

松田｢零…景、班長｣

｢探してた｣

夢でも見てるのかな？
…寝言に答えちゃダメだったっけ？睡眠の質が悪くなるから。
ぎゅっと掴まれる私の肩。
年甲斐もなく怖がる松田さんに｢心配かけてごめんなさいね、もう大丈夫ですよ｣と声をかけた。そこからは変な寝言は言わなくなった。

花屋に帰ると萩原さんからメールが来ていた。

＜捜査は任せて、病院に連れて行ってあげて＞

取り扱い説明が欲しかったけど…。

A｢着きましたよー｣

状況を何も把握出来てなさそうな表情で薄ら目を開ける松田さんを引きずり出して背負う。
…重い！私こそぎっくり腰になりそう。

松田｢……｣

何とかベッドに寝かせることが出来た。
コートを脱がせ、ネクタイもベルトも緩める。
あまりにもしんどそうだから解熱剤を飲ませて私も疲れてその場で眠った。