検索窓
今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:105,301 hit

125 ページ14

車を飛ばして10分。
周囲を警戒しながら指名手配犯を探す。
私が走らせたばかりに松田さんの体調をより一層悪くさせてしまった。

松田「なるほど…小さい子供を狙った殺人を繰り返してやがるのか」

A「スマホ閉じて寝ててください」

松田「薬飲んだからじきに下がる…大丈夫だ」

熱を測ると38.9度。スマホを見るのも横になるのもしんどいはず。
松田さんに怒られてここまで来たのは良いものの、私の中で理解はしても納得は1ミリもしていなかった。

<現在も小学一年生の○○ちゃんを連れて逃走中>

犯人は近くにいる。ただそれしか分かってなかった。
モヤモヤしていると松田さんが声を出した。

松田「A」

指さしたのは年季の入ったアパート3階。
微かに男の影と小さい影を見たという。
私は拳銃を服に忍ばせ車を降りる。

松田「おい、テメェ!」

私は松田さんに気付かれないように手錠を車と足首に掛けていた。着いてくると思ったから大人しく待っていてもらう為に。

A「やっぱり納得できません…松田さん」

「連絡をしたのでもうすぐ迎えが来ます、彼らについて行ってください」

ごめんなさい。とかなり薄めたクロロホルムを染み込ませたハンカチで彼の口を覆う。よく気絶させて眠らせる為に犯人がやる手口。
実際は咳や吐き気、頭痛が起きる。
なるべく吸わせない方がいい物で今の松田さんには薄めても簡単に頭痛をもたらす。

本当にごめんなさい。

松田「バカ……A…っ」

顔をしかめて瞳が閉じる。
これで嫌われてしまったのかもしれない。両方守りたい欲張りだから。

A「気を引き締めて、私」

私は松田さんが指さしたアパートに向かった。




静かに階段を上がるとドアの前に耳を澄ませる。
本当に中に指名手配犯と女の子がいるのか。刺激しないように交渉するべきか、強行突破するべきか。

迷ってる暇はない。

チャイムを鳴らす。
中から写真と同一人物の男がにこやかに出てきた。
間違いない。

男「どちらさんですか?」

A「私、このアパートの1階に越して来た日下と言います」

つまらないものですが…と誰かに渡しそびれたお土産を男に渡す。

男「よくまあこんなボロアパートに来たな」

A「あはは、ちょっとお金欲しくって」

男「お?じゃあ仕事は夜とか?」

話を合わせて中に入れて貰う。連れてこられた部屋には女の子の姿はない。

奴は1人だけ?…じゃあなさそうね。

A「泣き声が聞こえるけど、大丈夫?」

126→←124



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
699人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ナギ(プロフ) - 113の風見さんと景光のやりとりですが、風見さんは景光の上司なので風見さんがタメ語で景光が敬語ですよ! (2022年11月20日 21時) (レス) @page2 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kne.hrknt(ハル) | 作成日時:2022年6月8日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。