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日苗side

松田「ったく…、お前……よう、しゃっ、ねえ…なっ!」

エレベーターを待たずに階段で駆け下りたら松田さんは今にも死にそうになってた。

A「すみません、さっきの事件ニュースの犯人が公安が追っている指名手配犯の可能性があって…」

病人になんて言い訳してるんだろう…松田さんだから甘えてしまっているのかな。

松田「…行け」

A「?」

松田「俺は後でいい、早く捕まえろ」

弱ってる癖に目をギラギラさせる松田さん。
置いていこうと思ったのに助手席に座る姿を見て職業病ですね、お互い。と笑ってしまった。

A「すぐ片付けます!」

かと言って本当に松田さんを早く病院に連れて行かないとダメだから最善策を考えながら車を飛ばす。

松田「策は?」

ぐったり気味の松田さん。でも手にはスマホが握られていて指名手配犯の情報に目を通している。

A「今考えてます!一刻を争う状況です…近くに居たのが私たちだなんて」

「松田さんは寝ててください!酷くなって脳炎にでもなったら…」





やっぱり病院に行くべき?それとも誰かに引き渡すべき?
どっちも人の命……。





松田「変なこと考えんな」

A「でも…」

赤信号でぐるぐる考えていたら松田さんに頬を掴まれた。

松田「警察官だろ?」

「お前、警察官をなんだと思ってる?言ってみろ」

真剣な眼差し。それに目を奪われていると青信号。

松田「出せ」

パッと掴んでいた手を離す。ばくばく鳴る心臓と驚きと恐怖で堪えきれない涙がぼろぼろ溢れた。

A「誇りと使命感を持って…国家と国民に奉仕し」

「人権を尊重し、公正かつ親切に職務を全うし」

松田「それで?」

A「規律を厳正に保持して……相互の連帯を強め」

「人格を磨き能力を高め、自己の充実に努め」

松田「うん」

A「清廉にして堅実な生活態度を…保持、する」

よろしいと前を見つめたまま呟く松田さん。

松田「Aが今誤ろうとしているのは優先順位だ」

優先順位…。

松田「全ての任務を遂行させるのは当たり前、ただ国民と俺どっちを取るべきかは警察官として一目瞭然」

「国民だ」

A「松田さんも…国民です…」

松田「俺、間違ってるか?」

A「いいえ」

すると松田さんは私が握っているシフトレバーの手に手を重ねた。

松田「命はひとつしかねぇが、俺らには守らなければならない命が沢山ある」

「なーに心配すんな、こんな熱で死ぬような俺は俺じゃねぇから」

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ナギ(プロフ) - 113の風見さんと景光のやりとりですが、風見さんは景光の上司なので風見さんがタメ語で景光が敬語ですよ! (2022年11月20日 21時) (レス) @page2 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kne.hrknt(ハル) | 作成日時:2022年6月8日 11時

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