検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:7,467 hit

第十一巻 ページ12

早速三人はその村へ踏み入れた。

やはり遠くから見た通り、村の至る所に彼岸花が咲き乱れ、鮮やかに風になびいていた。

紫月は小さく辺りを見渡すと村の者達が此方を不思議そうに見つめている事に気づいた。


まぁ、派手派手しい衣類を纏ったよそ者が村を歩いているのだ。見てしまうのも無理はない。


草花や木々が風で擦れる音の中、浅葱は薬売りに問いかけた。


「兄者。退魔の剣の三条件はどうやって揃えるつもりだ?」


__確かに、いきなり妖だのモノノ怪だのを村人問い詰めたら逆に自分達が怪しまれるのは目に見えていた。

しかもこの村でモノノ怪の被害があるかどうかも分からない。そこで情報を集めるのは中々困難だろう。

薬売りはその問いに口を開く


「なんの為にこの商売をやっていると思うんだ」

「あぁ、忘れていた」


そう答える薬売りの話によると、どうやら商売中にそっと村人達から情報を聞き出すそうだ。


確かにそれなら怪しまれずに情報収集が出来る用になる。
紫月達は薬売りの案に賛成し、宿屋の位置を確認した所で各々が商売をした後、再度集合する...という事となった。


そして紫月は二人と別れた後三味線を抱き、考え込んだ。


__見る限り、この村には異変など起きてはいる様子はない。平和そのものだ。

モノノ怪はこの村にはいないのではないか...?


しばらくそんな事を考えながら三味線の風呂敷を取り、三味線を叩く。



気がつくと自分の周りに数名の村人がいることに気がついた。そして、その中の一人が紫月に話かけた。


「姉ちゃんは三味線がうめぇな。何処かで習ってたのかい?」

「いえ。独学です」


そう答えると、その男は高笑いをして話を進める。


「へぇ、まだ若いのに凄いなぁ
この村なんか婆ァやガキ共しかいねぇもんで、娘っ子が珍しくて珍しくて...」

「まぁ!誰が婆ァですって!」



二人の言い争いを周りの村人と同様、笑みを浮かべた紫月は、二人にそっと問いかけた。


「少しお伺いしますが、最近この村に変わった事はございませんか?」


紫月がそう言うと二人は言い争いを辞め、その事に関して周りに相談をし始めた。

話題は次々と出てくるが、どれも同じ内容で特にそれらしい物は無く、半分諦めかけたその時、一人の若い大工が口を開く。


「そう言えば...隣村が滅んだって噂を聞いたなぁ」

「村...がですか?」


その大工を問い詰めると、その村の事について、さらに教えてくれた。

第十二話→←第十巻



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
19人がお気に入り
設定タグ:モノノ怪 , 薬売り , 合作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤青ほととぎす/瑪瑙 x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年11月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。