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そして、エクバターナ包囲戦が始まった。
城壁を死守しようとするパルス軍と、それを破ろうとするルシタニアの攻防戦だ。
城を守るには、攻める敵の4分の1の兵力があれば保ち堪えることができると、以前ヴァフリーズが言っていたことを思い出す。
現に数日経ってもエクバターナの城壁は破られることなく、被害はルシタニアに比べれば微小である。
だが同時に入ってくる情報もほとんどなく、未だ行方不明者の足取りは掴めない。
Aは不安を宿した眼差しで窓の外を見つめた。
城壁の周囲にはいくつもの黒煙が上がり、怒号と激戦の争乱が流れてくる。
「A様」
暗い顔でそれらを聞くAに、同じく王太子付の侍女が声を掛けた。
立場としてはAの部下にあたる者だ。
「その、Aにお会いしたいという方がいらっしゃるのですが……」
「……私に？」
その声に振り返れば、妙に赤い顔をした侍女の姿があった。
「どなたですか？」
怪訝そうな顔をするAに「あの、それが……」としどろもどろに答え、それを別の声が遮った。
「久し振りだな、銀玻璃の君」
聞き覚えのあるその声にAは目を丸くした後、妙な顔をする。
笑顔で近付いてくるギーヴと、それを見て更に頬を染めて立ち去る侍女の姿に思わず溜め息を吐きそうになる。
「お久し振りにございます、ギーヴ様。その後、如何お過ごしでしょうか」
「なかなか快適に過ごしているが」
「それはようございました」
シャプールを苦痛から解放した謝礼として、ギーヴには金貨200枚と王宮での滞在が許可されたという。
万騎長の一人をある意味では救い、また王都が囲まれた今ではどこに行くこともできず、悠々と王宮生活を堪能しているらしい。
だが王妃付の侍女と一悶着あったようだと、侍女たちが噂しているのを聞いたが……。
「……ご用をお聞きする前に、侍女を誘惑するのはご遠慮頂けますか？ ちっとも仕事になりません」
切実な思いを込めて言えば、ギーヴが心外だとでも言うように目を見開いた。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
