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城壁の上がどよめく。
「あの距離を、一矢で……！？」
「一体、誰が……」
驚愕とも感嘆ともつかない言葉が飛び交う中、Aは呆然と、事切れたシャプールを見つめた。
悲しいというよりも、胸に大きな穴が空いたかのような虚しさを味わう。
……親しい、というわけではなかった。
むしろ、万騎長の中では一番遠い人だったかもしれない。
いくら万騎長たちと面識があったからと、おいそれと近寄れる存在ではなかった。
だけど、一度。
一度だけ、彼との思い出がある。
あれはヴァフリーズに連れられ、王宮に来たばかりの頃。
一人ではぐれてしまい、半泣きになってさ迷っていたところ、彼と出会った。
泣き止まない自分に困った顔をしながらも、一緒にヴァフリーズを探してくれた――
「シャプール様…………」
つ、と頬の上を何かが滑り落ちていった。
視界が歪み、爪が掌に突き刺さる。
喘ぐように呼吸を繰り返しながら、Aはきつく目を瞑った。
――これが、戦。
彼らが身を置く、生きる世界。
あまりに残酷で、残虐で、そこでは命など塵芥。
頭ではわかっていたけれど、その無慈悲さに心が悲鳴をあげる。
これ以上は見たくないと訴えかける。
(あぁ―――……)
なんと、非情なのだろう。
なんと、悲痛なのだろう。
目を逸らすことも、そこから逃げ出すこともできず、Aはただ消えゆく命に涙をこぼす。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
