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……何を、言っているのだろう。
Aは混乱した。
彼女の耳は男の言葉を拾うも、その意味の成すものが理解できない。
ただ、猛烈に嫌な予感がした。
それは身を焦がし、凍らせる。
声をあげようにもあげられず、ただ血にまみれたシャプールの姿を見つめることしかできない。
遠目からでも散々に痛めつけられた痕が窺える身体は深紅を通り越し、どす黒く染まっている。
あまりに無惨な、目を逸らしたくなるような光景だった。
凍ったようにその光景を凝視するAたちを嘲笑うように、ボダンと名乗る男はさも嬉しげに言葉を紡ぐ。
「まず、こやつの左足の小指を斬り落とす！ 次いで薬指、中指……左足が終わったら次は右足！ さらに次は手だ！ 神に逆らう者の末路を城内の異教徒共に思い知らせてやろうぞ！」
「…………な……」
何を、言っているのだろう。
あまりにもおぞましい言葉の羅列に思考が悲鳴をあげる。
理解したくない。
理解してはいけない。
あれが同じ人間のすることだなんて、思いたくない。
「……シャプール様……ッ！！」
悲鳴が喉の奥で絡まる。
「こやつは異教徒だ！ 唯一絶対の神イアルダボートを崇めぬ悪魔の使徒だ！！ 異教徒に慈悲を与えるなど、神に背く……」
「貴様などに俺の信仰を云々されるいわれはないわ！」
耳障りな言葉が途中で途切れたと思ったら、風に乗り、かすかな声が流れてくる。
「さっさと殺せ。貴様らの神などに救われるくらいなら、俺は地獄へでもどこでも行ってやる。そして、そこから貴様の神と国とが己ら自身の残忍さに食い殺されるのを見届けてやるわ！」
シャプールの声だった。
最後の力を振り絞ったような声。
ありったけの意志を詰め込んだ言葉。
されど、その内容はボダンを激昂させるのには十分過ぎた。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
