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「……ありがとうございます」
最早、自分にできることは何もない。
それをまざまざと悟り、足元が崩れ落ちるような感覚を覚える。
誰の行方もわからない。
アルスラーンも、ヴァフリーズも、ダリューンも。
彼らがはたしてどうなってしまったのか――誰も、知らない。
(あぁ――……)
どうすれば良いのだろう。
一体、どうすれば……。
不安と動揺にまみれ、それでも戻らねばと踵を返しかけ――そこで、ざわめきを聞いた。
城壁にひしめく誰かが、叫ぶ。
「万騎長シャプール殿！！！」
聞き覚えのあるその名に思わず振り返る。
城壁の外へと視線を投げ、そこに広がる光景に息を呑む。
不気味なほどに黒く大地を埋めつくルシタニアの軍勢から、ひとつの馬車が進み出るのが見えた。
その上に立つ影に気付き一瞬、息が止まった。
引き出される馬車の上。
そこにぽつんと立つ柱に縛り付けられているのは――。
「…………え？」
呆然と口からこぼれた言葉に応えるように、馬車の上に立つ男が声をあげる。
「聞け！！ 城中の神を恐れぬ異教徒共よ！！」
遠目に見ても、小柄な男だった。姿は兵士のそれではない。
言葉を失うAたちに向かい、声高らかに宣言する。
「わしは唯一絶対の神、イアルダボートにお仕えする聖職者、大司教にして異端審問官たるボダンだ！！ 神のご意思を汝ら異教徒に伝えるためにここにおる！ この異教徒の肉体をもってそれを伝えるのだ！」
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
