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「サーム様！！」
厳しい表情でルシタニア軍を見つめていた武人が振り返り、彼女の姿を見て唖然とした顔をした。
人を掻き分け、Aはサームに近付く。
「A殿！ なぜ貴女がここに……？ 危険です、今すぐお戻りを……っ」
「邪魔であることは重々承知しております！ 来るべきでないことも！ けれど、じっとしていられず……」
そう言いながらAの視線が外へと向けられる。
黒い軍勢を目にし、真っ青な顔をするAにサームが厳しい表情のまま告げる。
「ご覧の通りです。いずれは攻囲戦となりましょう」
「攻囲戦……王都が、戦場となるのですか……？」
「戦場などにはさせませぬ。何が何でも王都と、王妃様をお守りせねばなりません」
「殿下は？ 父上様と兄上様はご無事なのですか？ 何かご存知ではありませんか！？ 王宮では情報が錯綜し、何が事実であるのかわからないのです……！！」
主君と父と兄の安否を知りたいがゆえ、Aは危険を覚悟でここまで来た。
王宮に届けられる情報は数こそ多いも、信憑性が疑わしい。
どれもこれも信じられず、一縷の望みを持ってここへ来た。
しかし、サームは首を横に振る。
「いや、A殿。申し訳ないが、我らにもわかりませぬ」
「それでは……」
「……アンドラゴラス陛下共々、行方知れずとなりましょう」
……突き落とされたような気がした。
万騎長であるサームでさえ、彼らの行方はわからないという。
――それじゃあ、アルスラーンは？ ヴァフリーズは？ ダリューンは？
自分の愛する人たちは、何処へ？
思わず脚から力が抜けそうになった。
どうにか力を込めるも、少しでも気を抜いたら崩れ落ちそうだ。
真っ青な顔をするAを痛ましげに見つめるサームの背後から、もう一人の武人が駆けて来る。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
