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――パルス暦317年。
仰いだ空は、透き通るような快晴だった。
風に流れていく雲の動きを眺め、Aはわずかに瞳をすがめる。
穏やかさをそのまま写し取ったかのような光景だった。
時が止まってしまったような、そんな平穏。
しかし、実際には時が止まっているわけもなく。
どこか吸い込まれそうな青さを宿す空を見上げていれば、不意に「カンッ」と小気味の良い音が聞こえた。
青い空を映していた視界に剣が舞い、そのままけたたましい音を立てて地面に落ちる。
ゆっくりと視線を地上に戻せば、地面にへたり込む少年と、それを柔和な表情で見つめる老人の姿があった。
「ひどいな、ヴァフリーズ。そんな技を使うなんて……」
息も絶え絶えといった様子で少年が恨めしそうに言う。
それを聞いた老人がからからと楽しげに笑った。
「この程度のものは技とは申しませぬ！ ただの剣の基本動作です。ただし、その基本を鍛えなければ技も威力を失います。基本をお磨きなさいませ――アルスラーン殿下」
アルスラーン――そう呼ばれた少年は、ひどく不服そうな顔をした。
それを見て、Aは小さく笑う。
琥珀色の瞳が陽の光を受け、優しげに煌めく。
手に持っていた手巾を抱え、やがて彼女は穏やかに口を開いた。
「では、勝負あり――ということでよろしいですか？ 殿下、父上様」
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
