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「シャブラングもおかえりなさい。元気にしていた？」
硬いたてがみを撫でれば、見事な体躯の黒馬はちらりとAを見た。
そのまま何も見なかったというような呆気なさで目を逸らされる。
素っ気ない態度にAは眉尻を落とした。
「相変わらずね、シャブラング……」
「こやつに蹴られないだけ大したものだと思うがな」
しょんぼりとするAにダリューンが笑みを滲ませながら言う。
ダリューンしか乗せないこの黒馬は、それでも頭を撫でるAの手を振り払おうとはしなかった。
ダリューンに連れられて初めて出会った時も、シャブラングはAのことを見て、ふいっと目を逸らした。
なつかれてはいないが、嫌われているわけでもない。
いつもちらりと視線を向け、あとは知らん顔だ。
「殿下のお傍に居なくても良いのか？ A」
反応を返してくれないシャブラングをもう一撫でしてから手を離し、Aはダリューンと向き合った。
注がれる視線から目を逸らす。
「殿下は陛下のお迎えに行かれました。……私の代わりは、他の方に……」
視線を伏せて言えば、ダリューンはすべてを悟ったように小さく頷いた。
肩を落とすAの頭を撫でる。
「そう情けない顔をするな。そのうち慣れる」
余計なことは言わず、たった一言。
だけど、Aにはそれだけで充分だった。
かの王のことが嫌いなわけでも、憎いわけでもない。
ただ、最初に植え付けられたのが恐怖だったため、どうしてもそれ以上の感情が持てない。
それでも、それで良いと言ってくれるダリューンは、やはり優しい。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
