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剣という剣はおろか、調理に使う小刀の類いまで全部、刃の付くものすべてに怯え、ひどい時には呼吸さえままならなくなり、それで死にかけたこともある。
初めて目の前で刃を向けられたことの衝撃と、恐怖。
それが強烈に脳裏に焼き付き、おまけに幼かったこともあって心理的苦痛が心の傷となったのだと、前に診てもらった医師は言っていた。
克服できるかどうかはA次第である、と。
しかし、大将軍の養女として生きるからには武芸から逃げることはできなかった。
護身の技くらいは身につけるべきだと言われ、Aは武芸の腕を磨くことになった。
とは言え、剣の類いは一切駄目。
見るだけでも呼吸困難に陥るほどの拒否反応を見せる彼女に剣術指南はできず、苦肉の策として体術を提案された。
武器を使わないそれをAは受け入れ、どんな状況であっても自分の身を守れる程度の力は身に付けた。
しかし、刃物に対する恐怖心は自力ではどうにもできず、相変わらず怯える日々であった。
――そんな彼女を救ってくれたのが、ダリューンだったのだ。
「――A様！」
突如名を呼ばれて振り返れば、駆けて来たらしい王太子付きの侍従が肩で息をしていた。
瞬く彼女に荒い息を繰り返しながら問う。
「申し訳ありません！ 王太子殿下は何処に……！？」
「殿下ならば父上様と共に陛下のお迎えに参られましたが……先程お見送りしたばかりですので、急げば間に合うはずですよ」
そう言って微笑めば、侍従がほっとしたように頭を下げた。
「あ、ありがとうございます……！ あの、A様はご一緒には……」
「いえ、私は殿下の帰りをお待ちします。――殿下のこと、よろしくお願いいたします」
「お任せください！ それでは……」
「あ！ あの、ダリューン兄上様がどこにいらっしゃるかご存知ですか？」
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
