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「あとで会いに行ってやると良い。おぬしには甘い奴だからな」
「はい。そういたします」
笑顔で頷き、Aは改めてキシュワードに頭を下げた。
「それでは、私はこれで失礼します。無事なお姿を見ることができ、安心致しました」
「おぬしも、あまり自分を追い詰めるな。……あの件は陛下にも非がある。おぬしのせいではない」
「――ありがとうございます」
微笑みを返し、Aはもう一度頭を下げてからその場を離れた。
アンドラゴラス三世。
パルス王国現国王にして、不敗の王。
大陸公路にその名を轟かせ、彼女が忠誠を誓うアルスラーンの父親でもある。
……されど、Aにとって、その名は恐怖の対象でしかない。
キシュワードと別れ、宮殿へと続く道を進みながら無意識のうちに唇を噛み締める。
その名を聞く度、胃が竦み上がる心地がするのだ。
――あれは、Aがヴァフリーズに拾われ、養女となってからしばらく経った頃のことだった。
今思い出しても、身体の芯が凍りつくような恐怖がその片鱗を残す。
その時、彼女は確か7、8歳で、ヴァフリーズに連れられて初めて王宮へ上がった。
その時は王宮の外で暮らしていたというアルスラーンのことはまだ知らず、あくまでヴァフリーズの養女として、その存在を知らしめるためのものだった。
Aにとっては目に映るものすべてが新鮮で、ヴァフリーズの服の端をしっかりと握り締めながらも好奇心に胸を踊らせていたことをよく覚えている。
これまで自分が触れてきた世界とはまるで違う、華やかで綺麗な場所。
それが鮮烈に胸に焼きつき、ただただ見惚れていた。
その中で、Aはアンドラゴラス三世の前へと連れて行かれたのだ。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
