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やはり、彼は優しいというべきか、世話好きというべきか……ユーリはうーんと思わず眉根を寄せた。
「服は……繕えないこともないが」
「繕えるんですか！？」
「ドレスなら何度か作ったことはある」
真顔で答えるルチルにユーリは思わず口角を引きつらせた。いや、そんなの普通男の人は作らない！ いくら彼が人間の何百倍生きてたとしても、作らないと思う！ 万能疑惑が薄らと浮上したルチル。しかし、彼は間もなく眉根を寄せた。
「ただ」
「ただ……？」
「サイズを計る際に、猛烈に罪悪感を覚えるからなるべくやりたくない」
そう言って目を逸らすルチル。紳士だ。ものすごく紳士だ。思わず絶句しかけてしまう。ユーリは顔を両手で隠した。
話し合った結果、今あるユーリの服の中から、一着をリメイクするということになった。
閉店時間になったころ、二人は店を閉めると、ユーリの自室に向かった。木製の家具で統一された質素な部屋だったが、所々小花が散りばめられたクッションやベッドカバーがあるのは年頃の少女らしい。ユーリはルチルに普段座っているなじみの椅子に座るように諭した。彼は、嫌な顔ひとつせず、それに従い「選んだら、声をかけてくれ」と引っ張り出してきたであろう本を開いた。
ユーリはそれに頷き、クローゼットに向かう。端の染色が剥げた、金具の取っ手に手をかけて開けばなじみのある光景が広がった。
もともとあまり服に興味がないユーリは自分から服を選ぼうと思わない。なので大半の確立でユーリは服を買う店の店員にどれが似合うか選んでほしいと頼む。するとユーリに聞かれた店員は必ずといっていいほどふわふわした感じが似合いますよ。そう言って進められるのは基本淡い明るい色の服がほとんど。だから、たんすの中も同じような系統の服で埋め尽くされていた。
しかも一着一着が、細かいリメイクを施すまでもないものばかり。けれど、どこか結婚式などの場所には向かず……ユーリは思わず頭をひねった。ルチル曰く「白い服と、露出が多いもの、丈が短いスカートは控えたほうがいい」とのことだった。
それと、追加情報で彼曰く結婚式や披露宴などある程度のメイク、髪の毛も結ったほうがいいらしい。が、これは当日ルチルがしてくれるそうだ。そこまでできる彼は万能にもほどがあるんじゃないかと思う。
「決まったか？」
最近になって、慣れてきた彼の綺麗なテノールにユーリは振り向いた。
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音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます。お気に召していただきありがたい限りです。今後もゆるい作者ですがよろしくお願いします。 (2016年11月27日 15時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 私のハートにこのお話がどストライクしました(真顔)めっちゃ面白かったです！(*^-^*) (2016年11月26日 23時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想(プロフ) - チョロ猫さん» コメントありがとうございますm(_ _)m現在、テスト間際ということで更新停止させていただいていますが、これからも楽しんでいただけたらなと思います(*ﾟ▽ﾟ*)ゆるゆるな作者ですが何卒よろしくお願いします。 (2016年6月27日 8時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ猫 - この小説の雰囲気すごく好きです。話の内容も、優しくて読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！！がんばってください！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: d16235083c (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@ホラーゲーム製作中(プロフ) - ミカノンさん» ありがとうございます! そう言っていただき光栄です。 (2016年6月12日 10時) (レス) id: cc2ec66050 (このIDを非表示/違反報告)
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