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Your side


それから2人で、屋台を見て回った。

一緒に並んでくれたりんご飴は、優しい味がした。

おしゃれなボトルに入ったジュースは、後でSNSの背景にしよう。

花巻くんが射的で取ってくれたキーホルダーは、宝物になった。

隣に座って、スマホを一瞬確認する彼。


「あのさ、まだ時間あるんだけど、穴場知っててさ」
少し歩くけど、行ってみない?

彼がそう言う。
私はもちろん頷いた。

「じゃあ行こうか」

そして、屋台の灯りとは逆の方向に歩いた。


……


花巻くんが連れてきてくれた場所は、静かな公園。

足元の草木を避けながら奥へ進むと、景色が開けた。


海が見えた。

「座る?ちょっと険しいけど」

下を覗くと低めのが気になっていた。
暗いから少し怖かったけれど、

「ありがとう」
花巻くんが手を取ってくれた。

スマホを見ると19時58分。


そろそろはじまる。


私たちの間には、沈黙が流れる。

スマホの明かりが届く範囲しか見えない。


すると、近くも遠くもない海辺が明るくなった。

私はスマホを閉じる。


夜空に、光の筋は通った。

と思えば、花が咲く。


「わぁ、ここすごいね、本当に綺麗」

だろ?花巻くんが得意気に言う。

大きな花火が上がった。

花巻くんの方をふと見ると、目が合った。


「A」


夜空には、青色の花火が咲いた。

「今日のA、すっげー綺麗でドキドキした」

次に、オレンジ色の花火。


「……ありがと」


胸が締め付けられるように苦しくなって、慌てて夜空を見上げる。


体の中が、熱い。

顔が火照るのがわかる。


次はこっそり、花巻くんを見る。


彼ももう、前を向いていた。

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設定タグ:ハイキュー!! , 花巻貴大 , 青葉城西   
作品ジャンル:アニメ
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黒瀬(プロフ) - みおせさん» 貴大くんいいですよねぇ。めちゃんこ忙しすぎて、なっかなか更新できんのですが、頑張ります!ありがとうございます。 (2023年3月25日 15時) (レス) id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
みおせ(プロフ) - 初めましてコメント失礼します!マッキーメインの話を探していたのでとっても嬉しいです!先のお話も楽しみにしています! (2023年3月24日 4時) (レス) id: 50719844cf (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 黒瀬さん» あら、ご苦労なこった。作品も応援してるね! (2022年12月2日 19時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ひーなさん» あざす!次は英検やわ笑笑 (2022年12月2日 19時) (レス) id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 花巻………!好き…。勉強頑張れぃ (2022年12月1日 18時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒瀬 | 作成日時:2022年10月8日 17時

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