炎柱・煉獄杏寿郎2 ページ3
下弦・弐との戦闘の傷も癒えた折、杏寿郎は柱合会議で正式に炎柱に就任した。白地に赤と橙の炎を模した羽織を纏った杏寿郎は、今までで、一等、凛々しく誇らしげだった。その気高く美しい炎柱は瞬く間に鬼殺隊の評判となった。
恋仲になった杏寿郎と私の日常的は、そうなることが当たり前のように穏やかに過ぎていく。
「いってらっしゃいませ。ご武運を」「A、千寿郎！戻ったぞ！」
「A、必ず戻れ！」「杏寿郎、ただいま！」
任務の前にお互いの無事を祈り切り火をし、背中を見送る。帰還をすれば抱き合って無事を喜び合い、杏寿郎は私を幼子のように高い高いをしながらクルクル回る。そして、恋仲になった二人の秘密のおまじない。その繰り返しは鬼殺という日常でカラカラに乾いた心を潤す大切な時間だった。
＊＊＊
炎柱という重責を担った俺は甲の時とは比にならないほど任務を熟した。柱ともなれば担当地区の警備や自身の任務はもちろんのこと、非番の日であっても一般の隊士が処理できなかった任務に赴くこともあれば、伝令により交戦の助太刀に入ることもある。任務が増えれば当然、鬼の被害や先に亡くなってゆく隊士を目にすることも増える。改めて、炎柱を長きに渡り務めていた父上を尊敬すると同時に寂しさも湧き上がる。いつしか、俺は、弱音を吐かず常に落ち着き払い、誰に対しても同じ笑顔を向ける『炎柱・煉獄杏寿郎』という仮面をつけた。
そんな俺が唯一、ただの煉獄杏寿郎に戻れるのはAと過ごす時間だけだ。幼い頃から厳しい稽古も、母上の死も、父上が挫折した時も、千寿郎が泣いた時もずっと隣にいてくれた。俺がどんなに感情を隠してもAはすぐに見抜いてしまう。Aの前では仮面などつけられないのだ。
Aと想いが通じあった後の俺たちの生活は大きく変わることはなかったが、「必ず勝てるおまじない」と任務前に口づけを交わし、帰還の折にはお互いに抱きしめ合い、生きている温もりを確かめ合うようになった。それはもちろん、千寿郎のいない所でなのだが…。この口づけと抱擁が『炎柱・煉獄杏寿郎』から『ただの煉獄杏寿郎』に戻れるスイッチとなった。
「今回の任務も必ず戻る」
以前は願いとして口にしていた言葉が、今は決意となって口をついた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 夢主じゃ、童磨殿には敵いませんからね…😣しばらく地味な展開になりそうです😢 (2021年12月8日 7時) (
レス) @page12 id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - え⁉️😱夢主ちゃん⁉️よもやーーーッ (2021年12月7日 23時) (レス) @page12 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年10月18日 1時
