［完］花束のかわりに一本の蘭を-part 2-【灰谷蘭】

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□side ran



『蘭と喋れなかった分も、触れられなかった分も、今すぐ取り戻したいのに』



泣きそうとは違くて、Aは少し寂しそうな顔をした。

すると、今度は彼女の方から小さな指で俺の唇を撫でられる。



『蘭…』



何かの引力で惹きつけられるように、俺たちは唇を合わせた。



















「…大丈夫か？」


『ん…』


「……………………ずっと、触りたかった」


『…うん』



彼女の薄い体は思ったよりも温かくて、胸に耳を傾ければしっかりと高鳴っていて。



「(…Aの存在だけで)」


『蘭…？』


「(俺は生きていける)」



わかってる。そんな気持ちが危ういことくらい。

失くした時、傷つくのは、絶望するのは、自分なのに。

でも、そんな気持ちに浸りたい。浸らせてほしい。



「ｯA…」


『ら、ん…っ』



強く、強く、その小さな存在と大きな気持ちを握った。





　



















「A！！」


『竜くんー！』


「わ、マジで久しぶりだな…！」



一通り行為を終えて、少しだけ寝て、風呂に入って、テレビを2人で見てたら竜胆が帰って来た。

すると、ずっと2人は話し込んで俺は置いてけぼり。



「竜胆、Aとんな」


「話してるだけじゃん」


『蘭！竜くんと会うの久々なんだよ！？』


「カンケーねぇし」


『竜くんもなんか言ってやって！』


「え？あー…」



相変わらず3人揃うとやかましいんだよな。

この時間も、けっこー好きだったりする。



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全く更新せず、すみませんでした…！再開していきたいと思います🙇‍♀️

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