5話 ページ7
入学式。二年と三年の集まっている中央には、現寮長によく似た──
「……久し振りだな、リドル」
「ああ──A・ローズハート。ハーツラビュル寮現寮長であるキミに、ボクは決闘を申し込む」
リドルの澄んだ声がホールに響き、ざわ、と、聴衆に波が走る。
「……はぁ、いつか来るとは思ってたが……入学式か。早すぎだぜ、弟よ」
「……無論、受けてくれるのだろう？日時はどうする？」
「母さんに何言われた？」
「キミに話す道理はない」
「……リドル、オレいいよ別に。お前に譲るよ、寮長の座」
眉を下げながら笑うAの言葉が、彼らを遠巻きに眺めていた寮生──どころか、他寮生までも騒つかせる。
「……その発言、ボクを侮辱していると取っていいのかい」
リドルは言葉通り、Aを見つめる目に怒りを浮かべ。
「キミと決闘したところで、ボクが寮長になることは変わらない──ああ、怪我が怖いのかい？」
「あー……うん、怪我が怖えーんだわ」
「お母様に大怪我をさせておいて……恥を知れ」
「ごめんなぁ、小心者で」
Aが肩を竦めると、遠巻きに眺めていたハーツラビュル寮生の幾人かが吼える。
「A寮長の弟だかなんだか知らねえけど、寮長にお前なんかが勝てる訳ないだろ！」「……そ、そうだ！寮長の弟だからと言って……調子に乗るなよ！」
Aは照れ臭そうに苦笑し、口の上に人差し指を当て声へ向かって振り返る。今は静かに、と。
「な、リドル」
「……呼び捨てにできるのも今のうちだけだ。さあ、決闘の日時は」
「……オレ、一応お前を守って、母さん殴ったんだぜ」
そうだ。だから少しは、なんて、その場に居るリドル全員が思っていただろう。
「誰がそんなことを頼んだ！」
顔を歪めて吐き捨てる弟に、Aは笑みを下へ落とした。
「……」
「誰が、誰があそこまでしろと……！お母様だって、加減はしていただろう！」
「……」
「女性の顔をあそこまで殴れるような人間の弟だなんて……怖気が走るよ」
「……確かになぁ」
Aのその声には、色がなかったが。
「覚えているよ。お母様はキミが一発反撃した時点でお逃げになっていたのに──トイレに逃げ込んだのに、キミはその戸を破壊してまでお母様の髪を掴んで、泣いていたのに──そこを尚も殴った！」
「……」
「ローズハート家から犯罪者が出ないうちに離縁させて欲しいくらいさ……！」
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功徳(プロフ) - オパールさん» 完結しているのでよろしければ続編に行っていただいて最後まで読んでいただけると嬉しいです🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - すんごく面白い！です。 (11月10日 20時) (レス) @page50 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - 自分さん» はい！フォロバして頂いてました！こちらこそありがとうございます！テスト期間終わったらどんどん読んでこうと思います(≧▽≦) (2022年7月4日 20時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» ありがとうございます〜恐らくフォロバしていると思います〜引き続きよろしくお願いします〜 (2022年7月4日 8時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - 初めましてー！ネッ友からの紹介で殴れ、リドルを少しですが読ませて頂きました！凄く面白いです！あ、Twitterもフォローさせて頂きました！✨ (2022年7月3日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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