遊郭から連れ出された赤子は深い愛情を知る

其ノ弐拾陸 ページ27

鬼｢………………はっはっはっ

切れてないじゃないか

全く何をするのかと思いきや｣


A｢どうかしら｣


鬼｢っ！！！！！！｣


鬼は突然苦しみ出し私の上に倒れこんだ


A「うぅっ！！！！」


ボキッという嫌な音が体に響きお腹の傷からドクドクと血が流れていく


A「は…早く消えて…！！」


その気持ちとは裏腹に鬼の体はゆっくりと灰になっていった


A「やっと…きえた。

っ！！！！
いった…。

骨が折れてる…」


Aはホッとひと息つき
深く深呼吸をすると


猪｢猪突猛進！！

猪突猛進！！｣


A｢また猪…｣


猪｢さっきの女か

ん？
この鬼首切れてねぇじゃねぇか｣


A｢鈴蘭の毒で殺したのよ｣


猪｢なんだそれ！！

それじゃ切り裂き甲斐がねぇじゃねぇか！｣


A｢いいのよ！

鬼を倒せれば！

いっ！！｣


猪｢どうしたんだ

っ！！
お前
そのお腹の血…。｣


A｢何でも無い…｣


猪｢乗れよ｣


A｢え…？｣


猪は私の前にしゃがみこみ
おぶされと言わんばかりに手を広げている


猪｢背負ってやるって言ってんだよ！

早く乗れ！！｣


A｢はっ…はぁ！！！？？

そんな事出来るわけないでしょ！！｣


私が慌てふためいていると猪は私の手を引き寄せ無理矢理背中に乗せた


A｢ちょっ！！！！

ちょっとおろしてよ！！！！｣


猪｢うるせぇ！！！！

とりあえずこんな狭っ苦しい所早く出るぜ！！


猪突猛進！！

猪突猛進！！｣


そういうと猪は私を背負いながらまた走り出した


.
.
.
.
.


鼓鬼｢稀血…

稀血……

あれさえ食えば

50人…

いや100人分…

稀血の人間をもっと探して喰うのだ。

そうしたら小生は……

また十二鬼月に戻れる……｣

其ノ弐拾漆→←其ノ弐拾伍

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す