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仕方なくイルミを部屋に通すとそこにヒソカはすでに居なかった。
気にするのも無駄なので、とりあえずイルミに椅子に座るように言って、お茶を出す。
「そして、イルミはなんでここに？」
「ああ、婚約の事でね。母さんに聞いたら破談になったなんて事はないって言ってたよ」
淡々と説明してお茶を口に運ぶイルミの姿は本当に絵になる。なんて無駄な考えをしてる暇はないけど、やっぱり多少意識してしまう。
「そう、でも愛のない結婚はしたくない」
「どうして？愛なんてなくても結婚はできるのに？」
そう言われてしまえば、私は何も言い返せない。何故なら、好きという感情以前に私は逃げるためにイルミと結婚したかった、はず。
「記憶を取り戻せば俺と結婚したいって思うかもよ」
「無理よ、記憶は戻らないし、戻したくない」
「戻らない？なんで？」
都合の悪い、戻したくない、の言葉を無かったかのように振る舞うイルミ。
なんで？と首を傾げてきた。
「もし、イルミの言う記憶が本物だとしたら、私はある念の制約によって記憶を無くしてるわけ。除念師でも難しいよ」
私がそう言うとイルミは、そんなことか、と言わんばかりの表情を浮かべた。
「なら、アルカに頼めばいい」
そしてそう言った。
「アルカ？」
「そう、頼めばなんでも叶えてくれる、ゾルディック家にいるナニカ。そうと決まれば、すぐに出るよ」
イルミはそう説明して立ち上がり私の手首を掴むが、私はその場から動かなかった。
「思い出したくないの」
それじゃないと、私が絶望を感じたあの時間はどうなるの？全部無駄になってしまう。
ずっと待ってたのも、私の勘違いになる。
それを認めれるほど、私は強いの？
「なんで？思い出せば俺と結婚したくなるでしょ？」
「そんなに私と結婚したいなら… そんなに好きなら、0から私を好きにさせてよ」
思わずそう言うと、その場には沈黙が流れた。
でも、もしイルミが本気じゃなければ、今度こそここで終わる。全部。
「好き、と言う感情が何かわからない俺に、Aはなんで愛を望むの？」
私の目見てるのに、何故かその言葉は、私じゃない誰かにかけられてるように見えた。
「俺は多分好きかもしれない、無意識に」
そんな爆弾発言を真顔で言ってくるイルミに、何も言葉をかけてれなかった。
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる？感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ！！続きがとても気になります。更新頑張ってください！！ (2020年3月20日 21時) (
レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする！！！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花ノ絵 | 作成日時：2019年11月28日 23時
